昼夜逆転の原因を知ることが重要
認知症の方によく見られる症状が「昼夜逆転」です。昼夜逆転の生活では、夜間介護の必要性が大きくなりますので、介護者にとっての大きな負担になりがちです。この問題にお困りの方が大勢いらっしゃいます。認知症の方が昼夜逆転の生活になってしまう原因はいくつかあります。昼夜逆転の解決策を学ぶためには、原因をしっかりと理解しておくことが大切になります。
昼夜逆転の原因その1「不眠」
「昼夜逆転」の原因は大きくわけて、二つのことをあげることができます。一つ目の原因は「不眠」です。不眠の症状をあらわす認知症の方は夜間に眠ることができません。ですから、昼間に眠気がやってきてしまって、昼間と夜間が逆転する生活を送ることになるのです。昼間に活動する機会が極端に少ない、昼間に居眠りをする、目が覚めるような身体の痛み、夜間頻尿、などが不眠の症状をもたらし、昼夜逆転の生活を引き起こすことになります。不眠から来る昼夜逆転の場合には、まずは不眠の原因をなくしていくことが解決策の大一歩になるのです。
昼夜逆転の原因その2「夜間せん妄」
二つ目の原因は「夜間せん妄」の症状です。夜間せん妄とは意識障害の一種です。夜間せん妄の症状の方は、夜間、起きているか起きていないのかわからない状態で、幻覚や妄想を見ることになります。夜に熟睡しているわけではありませんので、充分にできなかった睡眠を昼間に行うことになるのです。夜間せん妄による幻覚や妄想は激しいものである場合が多いですから、介護者の睡眠も妨げられることになるでしょう。夜間せん妄をなくすために睡眠薬を使用することは適切な方法ではありません。夜間せん妄を解消するための薬がありますので、専門医に相談することをおすすめします。