介護職が作成した記録は、5W1Hではありませんが、≪何時≫、≪何処で≫、≪誰が≫、≪何故≫、≪どの様に≫読むかを、常に意識して作成されなくてはなりません。誰が読んでも、読みやすく、判りやすい介護ケアのサービス・支援が実施された内容と利用者とのコミュニケーションが記された記録でなくてはなりません。
介護ケアの記録を読みやすく判りやすく書く方法の一つとして、SOAP(Subjective Objective Assessment Plan)という記録方法があります。医療分野で開発された記録方法で、①POS(Problem Oriented System・問題解決を目指すためのシステム)を生かした記録方式、②患者の問題が明確に理解出来、経過がわかりやすい、③患者に起こっている事実をどのように解釈したのか、その考えが明確にわかる、④チーム医療におけるコミュニケーションの手段(出典:RST*blog)とされています。
<SOAP>
◆S(Subjective):主観的情報 ⇒ 利用者から発せられた情報・主訴
◆O(Objective):客観的情報 ⇒ 観察によって得られた事実
◆A(Assessment):アセスメント(評価) ⇒ どう考えたのか(介護ケアの問題・目標に対して、主観的情報と客観的情報とを包括して分析)・所見
◆P(Plan):計画、実施 ⇒ どうするのか、どうしたのか
S(主観的情報)とO(客観的情報)を記録することは、特別に難しいことでは無いと思われますが、A(アセスメント)とP(計画・実施)を記すことは、手間と慣れが必要なことだと思われます。介護職が介護記録に、A(アセスメント)とP(計画・実施)を記すことが、介護ケアを専門職として実施した証となります。
SOAP記録法による介護ケアの記録は、介護ケアの問題・目標に対して解決、改善に、介護ケアにかかわるケアチームのメンバーが協働して取り組み、質の高い介護ケアのサービス・支援の提供が行われるために、共通の記録方法として有効であると考えられます。