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ヒヤリハットは業務改善のためには大切な報告書となります

介護職が介護ケアのサービス・支援を提供して、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりすることは、少なからず経験することになると思われます。

ハインリッヒの法則によれば、1つの大きな介護事故の前には、29の軽微な事故や介護ケアの失敗があり、その前には300のヒヤリハットがあるとされます。日常業務の中で生じているヒヤリハットを記録し活用することで、介護事故の予防・予測・回避が可能になると考えられています。

<ヒヤリハット報告書の記載方法>

①ヒヤリハットの対象となった利用者の氏名等の基本事項と記載者の所属・職・氏名の記載欄に記載を行うことになります。

②発生日時や発生場所の記載を行い、ヒヤリハットが発生した際の≪利用者の状況≫を記載します。利用者の状況については、客観的な視点で事実のみを記載する事が求められます。言葉遣いは、基本的に「常体(~である。~だ。)」の過去形で記載し、敬語を用いる必要はありません。

③≪対応の経過≫の記載を、経時的に記載をします。ヒヤリハットの発生時間からヒヤリハットの対応が完結した時間まで、時刻と対象者、対応職員の氏名を記載します。

④≪ヒヤリハットの原因≫となるものを、「なぜなぜ分析」などの原因分析法を活用するなどして、具体的に思いつく限り記載します。ヒヤリハットの発生の原因としては、●確認不足、●連絡ミス、●衣類の不適切、●介助姿勢の不適切、●介護用具、介護機器、施設設備などの不適切、●慣れや無意識での作業などが考えられます。

⑤≪ヒヤリハットの課題と対策≫として、具体的に改善すべき介護ケアの課題を記載して、介護サービス事業所の運営の改善や介護ケアの業務手順の見直しなどの対策について記載して、介護サービス事業所全体の課題と対策として提案を行います。

ヒヤリハットの報告は、責任の追及が目的ではなく、事例を積み重ねて行くことで、介護事故につながりかねない介護ケアの問題点を抽出して、介護サービス事業所の運営の改善や介護ケアの業務手順の見直し、介護ケアの提供者の介護技術の向上などの取り組みによって、利用者にとって質の高い介護ケアを提供する事を目的とするものです。



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