今回は昼夜逆転生活への対処策を紹介
前回のコラムでは、「昼夜逆転」の症状と影響について説明いたしました。昼夜逆転生活は、認知症の代表的な症状である「不眠」が原因であり、昼夜逆転生活が介護者と認知症の方の両方に悪影響を与えることをご紹介しました。それでは、どのような対処策があるのでしょうか。今回は、「薬」を使う場合の注意点と、薬に代わる対処策をみなさまに説明いたしますので、昼夜逆転の問題にお悩みの方はぜひとも確認してみてください。
「薬」を使用する危険性
昼夜逆転生活の原因は「不眠」です。ですから、不眠の症状を解消するために、睡眠薬の処方を受けている認知症の方がたくさんいらっしゃいます。しかし、ここで注意点があります。睡眠薬の過剰摂取にはご注意ください。睡眠薬は効果があらわれやすい薬ですので、ついつい過剰に摂取になる傾向があります。睡眠薬のなかには、副作用として「健忘」や「記憶障害」、「意識障害」など症状が発生するリスクがあるといわれています。睡眠薬を過剰摂取することで、発生する副作用も大きくなり、認知症の症状が悪化する危険性があるのです。
薬を使わず、身体を動かして不眠を解消する方法
薬に頼らない対処策としては、「できるだけ、昼間に動くように促す」方法があります。身体機能が衰えた高齢者の場合、1日のほとんどをベッドの上で過ごすことになりがちですよね。昼間には、車イスなどを使って、できるだけベッドから離れることが大切です。ベッドから離れるだけでも軽い運動や気分転換になりますので、スムーズな睡眠の助けになります。ひとりで歩くことができる方の場合には、かんたんな家事を手伝ってもらうこともよいですね。家事を行うことにより、体力を消耗しますので、夜間の眠気を誘うことができるのです。身体を動かすことが、不眠解消へのひとつの対処策になります。