介護職に求められるコミュニケーション能力として求められることは、介護職がコミュニケーションを通して、利用者のこと(利用者の持つ情報)をどれだけ知ることが出来るかということが考えられます。そして、介護職がコミュニケーションを通して受け止めた情報を、利用者にフィードバックすることで、利用者の持つ情報と介護職が持つ情報とが等しくなることに努め、利用者との間に信頼関係が作られて、ラポールが得られるということが考えられます。
介護職は、利用者との間で、コミュニケーションによって良好な関係を持つことだけでなく、介護ケアの専門職として、面接者、観察者としてのコミュニケーション能力も求められます。利用者のことを知り、利用者からラポールが得られることはもちろんのこと、介護職が知り得た利用者のことについて、事実を正確に過不足なく、、所見と共に記録に残すことが必要となります。
介護職は、介護ケアのサービス・支援の提供のために、ケアチームのメンバーに対して、記録に基づいて利用者のことや、介護職が利用者との間で行った介護ケアのサービス・支援の提供、コミュニケーションなどについて、TPOに合わせて伝え、介護職が持つ情報が正確に伝わっていることを、フィードバックによって確かめることが必要となります。
コミュニケーション能力を高めて行くためには、人に限らず様々な知らない相手を知ることの楽しさや面白さを感じること、五感を使って知ることや感受性を高めることなど、日常生活の中での気づきは大切なことです。そして、面接者として「バイスティックの7原則」を常に心がけて行くことや、介護ケアの提供場面は、面接と観察の場面でもあることを忘れない心がけ、言語コミュニケーションだけでなく、非言語コミュニケーションによる利用者のサインに気づくことや、TPOに応じたコミュニケーションを図る事が必要なことになります。