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認知症には中核症状に応じたコミュニケーションが必要です

認知症は、専門家の間では65歳以上の高齢者の10%以上に見られる疾患だと言われています。認知症の原因疾患は、脳血管疾患とアルツハイマー病とが主なものとなっています。我が国の認知症の原因疾患は、1980年代までは、脳血管疾患が最多のものでありました。1990年代以降では、アルツハイマー病が最も多い原因疾患となっています。

認知症には、≪中核症状≫と呼ばれる①記憶障害、②見当識障害、③理解・判断力の障害、④実行機能障害が見られます。中核症状があるために、日常生活で生じるストレス(ストレッサー)や心身の不調など生活上の困難への対応が難しくなることから生じる、●暴力、●暴言、●徘徊、●拒絶、●不潔行為、◆抑うつ、◆不安、◆幻覚、◆妄想、◆睡眠障害などの≪行動・心理症状(BPSD)≫が見られる場合があります。

認知症の中核症状は、脳血管疾患やアルツハイマー病などの原因疾患によるものであり、医学的な治療を行う事で、症状の軽減と進行の遅延を図ることになります。認知症のBPSDについては、必ずしも発現するものではなく、その人それぞれが持つ環境に依るものであることから、医学的な治療が必要な場合もありますが、対症療法となることから、認知症が進行する可能性もあることに注意が必要です。

介護職が介護ケアのサービス・支援を提供する認知症の利用者に対するコミュニケーションには、利用者の生活環境、生活習慣と共に、利用者の認知症の進行状態と中核症状の状況や、BPSDの有無や程度を把握して、利用者を知ることが必要となります。

認知症の利用者とのコミュニケーションで、心がけておかなくてはならないと思われることは、以下の項目となります。

①認知症の自覚と不安があることを忘れないこと

②感情の働きは保たれていることを知り、尊厳を支えるかかわりを心がけること

③押しつけず、急かさず、相手に添う気持ちと相手のペースでかかわること

④孤独にならないよう、疎外感を持たれないようなかかわりを心がけること

⑤行動の理由や心理状態を知るように努めること

コミュニケーションの原則となる、傾聴、共感、受容も、常に心がけておかなければならない事は、自明なことであります。



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