トップ > お役立ち情報TOP > 介護におけるコミュニケーション > 利用者とのコミュニケーションには共感の姿勢が大切です

利用者とのコミュニケーションには共感の姿勢が大切です

利用者の感情に共感することは、利用者を知るためには、傾聴、受容と共に、介護ケアの専門職として、コミュニケーションを行って、利用者とのラポールを得て、利用者に添った介護ケアを目指す上では重要な態度となります。

利用者が持つ情動による感情表出は、利用者の生活歴、社会性、人間関係などの個性によって様々なものが見られます。激しい情動であっても強い感情表出ばかりではなく、弱い感情表出となる場合もあり、反対に緩やかな情動でも、弱い感情表出ばかりでなく、強い感情表出となる場合があります。また、表出された感情と情動とが反対であったり、感情の原因となる情動の原因が無かったり、利用者にも真の原因がわかっていないということもあります。

利用者がどのような感情表出を行ったとしても、まず介護職は、共感の態度を取って、利用者が表出した感情を受け止めます。利用者が示す感情は、利用者の個性や心身の状態によって、様々な形を取ります。介護職は、利用者の個性や心身の状態を把握した上で、受け止めた感情のもととなる情動や、情動の真の原因などを知るために、利用者に対してフィードバックを行って利用者の反応を観察します。

コミュニケーションの50%以上どころか、90%以上が非言語コミュニケーションで成り立っていると言われており、利用者が感情をことばで表したとしても、感情表出のもととなる情動は、非言語コミュニケーションによって表されていることが考えられます。

介護職は、利用者の感情表出に共感の態度を示しながら、ことばで表されている言語による感情表出だけでなく、非言語の感情表出にも注意を払うことが必要です。言語・非言語の感情表出を包括しながら、利用者の情動や情動の原因を知るために、フィードバックを繰り返して行くことが、利用者の真の感情に共感し、利用者とのラポールを深めて行くことになります。

介護職が行うコミュニケーションにおける共感は、無条件の共感ではありません。あくまでも、介護ケアの提供者、介護ケアの専門職としての立場、役割の上での態度であります。もちろん形だけの態度ではなく、利用者のことを知るため、利用者に添った介護ケアを行うための、面接者、観察者としての意識を保ちながら、利用者の感情へ巻き込まれることが無い共感が行われなければなりません。



お読み頂いた記事は参考になりましたか?より有益な情報は会員限定のメルマガで無料配信しております。
矢印まずはメールアドレスを入力して会員登録してください。


関連記事
介護職に求められるコミュニケーション能力
認知症には中核症状に応じたコミュニケーションが必要です
言語障害には3種類の障害がありコミュニケーションの配慮が異なります
聴覚に障害がある人は身体障害者手帳を持っていない人がほとんどです
視覚障害者とのコミュニケーションの多くは点字以外の方法で行われています
利用者とのコミュニケーションには共感の姿勢が大切です
利用者や家族のデマンドを満たしながらニーズの解消が求められています
利用者や家族の自己選択・自己決定を自分の価値観で判断し非難しない
利用者や家族との間のラポールの形成が大切です
家族と利用者との間にある緊張関係の緩和につとめなくてはなりません

Facebookをされている方は以下より「いいね!」して頂ければ、定期的に情報を配信致します。