コミュニケーションには、言葉や文字による言語コミュニケーション(Verbal Communication)と非言語コミュニケーション(Non-Verbal Communication)があります。
言語コミュニケーションでは、主には送り手が言葉を話すことで、受け手に知ってもらいたい知識、技能、感情、思考や心身の状況など様々な情報を言葉で表します。送り手は、受け手が送り出した言葉を受け止めて、送り手の持っている情報を知ることに努めます。
送り手が話し言葉で情報を送り出すことに積極的な場合には、受け手は送り手の話し言葉を聴き取ることによって、送り手が持っている情報に近いものを知ることが可能と考えられます。送り手がコミュニケーションに消極的な場合や話し言葉による言語コミュニケーションが不得意であったり困難な場合などでは、送り手の持つ情報を知ることは、話し言葉に依ることは難しくなってしまいます。
受け手が受け止める送り手の持つ情報は、送り手の言語コミュニケーションに対する得意・不得意にかかわらず、送り手と同じものを受け止める事は、同じ人物ではありませんので、当然ながら困難であります。言語コミュニケーションは、ことばのキャッチボールと言えますので、ことばのキャッチボールを繰り返す事によって、送り手が持っている情報と同じものに近づける工夫をすることになります。
投げ手の投げた球と同じ球種の球を、受け手が投げ手に投げ返すというキャッチボールにたとえると、受け手は投げ手が投げた球の球筋や、受け取った時の感触などで、どのような球の握り方や投げ方かを考えます。受け手は、球の握り方や投げ方を考えて、投げ手に向かって球を投げます。投げ手は受け手が投げた球の球筋や、受け取った時の感触が、自分が投げた球の球種とどのように違うかを確かめます。
投げ手は、受け手が投げてきた球と、自分が投げた球が同じ球種であるならば、新たな球種をして、受け手に投げることになります。同じ球種と判断しても、前と同じ球種を確かめの意味で投げることもあります。受け手が投げてきた球が違う場合は、前と同じ球種を同じように、もしくはわかりやすく投げることを繰り返すことになります。
言語コミュニケーションを使う事で、送り手の持つ情報を送り手が表す情報(言葉)から、受け手が送り手と同じ情報を知る方法として、受け手が送り手から受け取った言葉を、受け手なりに受け止めた上で、送り手の情報(言葉)として言葉を返すことを繰り返してゆくことが、受け手が行う送り手を知るためのフィードバックとなります。