介護職員が行う介護サービスの提供場面は、介護ケアのための面接場面である事を、介護職は常に意識しながらコミュニケーションを行わなくてはなりません。介護職は、介護サービスの提供者であるとともに、介護ケアのための面接者であることを認知しながら行動する必要があります。
介護ケアの面接は、利用者を主体として、利用者の能力に応じた自律した生活を支え、利用者に添った介護ケアが行われるために、介護ケアのサービス・支援の提供されるいるかを確かめることにあります。そして、介護サービスの提供について検討や修正を行うためのものであり、適切なアセスメントとケアプラン(居宅介護サービス計画など)が行われているかを検証することにもなります。
利用者とのコミュニケーションは、訪問介護の場合には、訪問時の挨拶にはじまり辞去時の挨拶に終わります。訪問時の挨拶から面接が始まり、辞去時の挨拶までの間が介護ケアの面接となります。介護ケアの面接中の介護サービスの提供状況、コミュニケーションや出来事は、すべて介護ケアのための面接内容となり、記録として残すことになります。
面接の状況によっては、記録として残すだけで無く、サービス提供責任者やケアマネージャーへの報連相を速やかに行う必要がある場合もあります。また、ケアチームのメンバーとの情報共有やカンファレンスでの情報提供、ケアプラン(居宅介護サービス計画など)の修正などの検討を、記録に基づいて行うことが必要となる場合があります。
介護ケアの面接は、相手(利用者)を知る事にはじまり、相手のニーズを知る事、相手がニーズを決める(確かめる)こと、相手がニーズに取り組む事、相手の変容を知る事、相手のニーズの達成や解消を確かめることで終わります。
介護職が行う介護サービスの提供場面での面接は、利用者のニーズの達成や解消を目指す取り組みの過程を、コミュニケーションによって、利用者と介護職とが確かめ合い、記録に残すことになります。介護職が作成した記録によって、ケアチームのメンバーとの情報共有などを行う事で、ケアプランのゴールへの取り組みを、協働して行ってゆく事を目指すことになります。