遺産相続でお悩みの方の相談
Nさん「私は3人兄弟の次男です。このたび、認知症の父が亡くなったのですが、父の遺産相続に関して揉めています。父と同居していた長男が、父の遺言書をもってきたのですが、その内容がかなり長男だけに有利な条件になっているのです。私と三男は本当に父が書いた遺言書なのか疑問に思っています。そもそも、認知症の父の書いた遺言書は有効なのでしょうか。どうにも納得できません。」
認知症の方が書いた遺言書は無効
認知症の方が書いた遺言書にまつわるトラブルはよくある事例ですね。法律支援を行う国の独立行政法人のアドバイスによりますと、基本的には「認知症の方が書いた遺言書は無効である」とのことです。遺言書が有効であるためには、「自分の行為を認識できる程度の精神的能力を備えていたことが必要である」と定められています。認知症の症状には、色々なレベルがあるとはいえ、書いた時点での判断能力が正常であるかどうかを、あとから調べることはできませんので、一般的には無効であるとされる可能性が高いそうです。
遺言書が無効にならないケース
一方で、認知症の方が書いた遺言書が法律的に有効であると認められる場合もあります。「成年後見制度を利用している」認知症の方が、「2人以上の医師によって正常な判断能力があると認められた」上で、遺言書を書いた場合には有効とされるそうです。Nさんの家族の事例では、成年後見制度の利用をしているかどうか、2人以上の医師による認定があるかどうか、この2つのポイントが大切になるといえますね。更に詳しい内容や相談は法律の専門家にたずねてみましょう。市町村が実施している法律相談会に参加しますと、30分程度の相談でしたら無料で行うことができます。お悩みの方はご利用ください。