介護保険制度が始まる事で、訪問看護の給付は介護保険と医療保険との両者から給付されることになり、介護保険制度の要介護・要支援の認定を受けた利用者は、原則として介護保険の給付を受けることになりました。介護保険制度が始まってから、在宅医療が必要となる要介護者・要支援者の増加が見られ、介護保険での訪問看護のニーズは高まりましたが、十分な対応が必ずしも出来る状態にはありませんでした。
訪問介護と訪問看護とは、それぞれ介護ケア、看護ケアという業を行っておりますが、その内容に類似した行為が多く含まれていると考えられます。利用者のアンケートからも看護ケアの中に、看護職員以外がケアを提供しても良いというものが数多く含まれていることが分かります。
訪問介護と訪問看護の協働・連携を強化して、それぞれが行うケアの役割分担を行い、看護ケア、介護ケアの充実と質の高いサービスの提供を図ることが求めらるようになりました。
<図1>看護職員の看護ケア必要性
訪問介護と訪問看護との協働・連携が強く求められたことから、訪問介護と訪問看護との一体的な利用が可能となる、介護保険制度の地域包括ケアの中核的サービスとして、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が平成24年(2012年)4月に創設されました。
<図2>定期巡回・随時対応型訪問介護看護について(出典:定期巡回・随時対応サービスの概要/厚生労働省)
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが国の委託を受けて行った調査(http://www.murc.jp/publicity/press_release/press_130117)の結果から、訪問介護と訪問看護が一体的に行われることにより、介護ケアと看護ケアとの役割分担と棲み分けが行われ、利用者のニーズに応じた適切な介護(看護)ケアのサービス・提供が行われていると考えられます。
介護ケアのケアチームでサービス・支援が提供されるためには、報連相が日常的に忌憚なく行われ、PDCAサイクルの活用が包括的・一体的に行われることが求められます。訪問介護と訪問看護が一つのサービスとなることで、報連相やPDCAサイクルの活用が、効果的に実践されていると考えられます。