◆「医行為」について
○ 医師法(昭和23年法律第201号)
第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。
【解釈】
医師法第17条に規定する「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(「医行為」)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。
○ 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)
第5条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
第31条 看護師でない者は、第5条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
出典:「医行為」について/厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/02/s0203-2g.html)
「医行為」とは、医師法第17条の規定にある「医業」の定義として使われている用語です。医業とは、「医行為を、反復継続する意思をもって行うこと」であると国は考えて解釈しています。
「医行為」には、医師の資格を有する者しか行う事が出来ない、高度に危険な行為である≪絶対的医行為≫と、医師以外の者が行う事を、医師が判断した上で行わせることが出来る≪相対的医行為≫があります。相対的医行為には、看護師などの医療関連職種の有資格者が行わなければならない行為と、無資格者でも行える行為があるとされています。
絶対的医行為と相対的医行為のうちで、看護師などの医療関連職種の有資格者が行なわなければならない行為については、法の規定に違反した場合には刑事罰に処されることが定められています。
医師が行う医業の「業」とは、①反復継続の意思を持ち、②不特定の者や多数の者を対象として、③営利を目的とするか否かは無関係に行う行為であり、④緊急避難的行為は除外されると考えられています。
介護職が介護ケアのサービス・支援を提供する上で、利用者本人や家族が医事法の例外として、日常的に行っている医行為を求められていることが問題となりました。介護職が行う医行為が医師法等に抵触すると指摘されるのは、本来は、医師または医師の指導・監督のもとで、医療関連職種の有資格者が、「業」として行うことが唯一許される医行為を、介護職が「業」として行うことになると判断された為と考えられます。