「車イスでの移動が不便…」、古い家にお住まいの家族の相談
今回はバリアフリーの考えが考慮されていない古い家にお住まいのご家族からの相談です。
「わたしの住む家は古い和風の民家です。都会の家に比べると、ある程度の広さがある家だとは思います。祖父は車イスで移動をするのですが、家のなかをスムーズに移動することができません。車イスでも移動しやすい家にしたいと思っています。大切な家なので建て替えなどはしたくありません。できれば、改修工事で済ませたいと思っています。」
「段差」や「間仕切り」などの障害物の撤去
相談者の家が建てられた時代には、まだまだバリアフリーの考え方がなかったわけですから、車イスでの移動が困難であることは当然ですね。とくに古い和風の家では、「段差のある土間や敷居」によって、車イスでの出入りがむずかしくなります。また、障子やふすまによって「部屋が細かく仕切られている」場合があり、こうした構造は車イスでの移動を妨げます。家を建て替えることなく、車イスでの移動に適した家づくりをするためには、以上のようなポイントを改修することが必要になります。
具体的な改修策を紹介
土間や敷居の段差は可能なかぎり撤去して解消しましょう。ただ、建物の構造上、撤去できない段差の場合にはスロープを設置して、車イスでの移動がしやすいように工夫してください。スロープを設置するさいの勾配率は1/12以下にするべきだと言われています(1.2mのスロープの場合、高低差は10cm以下にしてください)。そして、障子やふすまによる部屋の間仕切りを撤去することによって、広い大部屋をつくることができると、車イスでの移動を快適に行うことができます。使っていない部屋があれば、できるだけ大きな一部屋にまとめることをおすすめします。もちろん、家ごとに条件は異なりと思いますが、以上のポイントは和風の家を改修するさいの共通点になりますので参考にしてください。