ストレスとは、「ストレッサー(ストレス要因)」と、ストレッサーによって引き起こされる「ストレス反応」、ストレッサーに対抗してストレス反応を防ごうとする働きである「ストレス耐性」の3つで成り立つとされています。
ストレッサーは、4種類の要因に分けられます。
①環境的要因:職場環境、通勤環境、騒音・雑音、振動、天候、気温、湿度、匂い、花粉など
②社会的要因:対人関係、役割、責任、昇進、転勤、婚姻、出産など
③心理的要因:不安、緊張、興奮、不満、怒り、憎しみ、哀しみ、失望、焦り、切迫感、劣等感など
④身体的要因:疲労、睡眠不足、傷病、加齢、体力低下、痛みなど
ストレス反応は、3種類の反応が生じます。
①からだの反応:頭痛、めまい、不眠、過眠、肌荒れ、ぜんそく、カゼをひきやすい、動悸、息切れ、高血圧、肩こり、胃痛、便秘、下痢、腰痛など
②こころの反応:元気がない、焦燥感、疲労感、不安感、易疲労性、易怒性、高緊張、落ち着かない、憂鬱、楽しめない、自信喪失、自己嫌悪、絶望感、孤独感、集中力低下、気力低下、記録力低下など
③行動の反応:人との接触を避ける、怒鳴る、爪噛み、貧乏揺すり、過食、食欲不振、大量飲酒、喫煙量増加、遅刻・欠勤の増加、仕事のミスの増加、ぼんやりしている、片付けられなくなるなど
ストレッサーとストレス反応との間には特定の関連性はなく、ストレッサーによって様々なストレス反応が生じることになります。ストレス反応は、同じ種類と強さのストレッサーであっても、全くストレス反応が現れないひとからとても強いストレス反応となり、さらに疾患に至ってしまうという深刻な状態になるひとまで、様々な状態が生じてしまいます。
ストレッサーに対してストレス反応が異なる原因は、ストレス耐性がひとによって異なる事から生じるものであります。ストレス耐性は、個人の中でも異なりますので、異なるストレッサーに対して、ひとによって現れるストレス反応が異なります。
ストレス反応は、ひとによって異なります。自分のこころとからだのストレス反応の傾向を知ることや、ストレッサーに対するこころとからだのストレス耐性がどの程度あるのかを知ることが、手を変え品を変え無くなることのないストレスと付き合うための糸口になると考えられます。
ストレスは、生きている限りは無くなることはありません。ストレスと向き合い付き合って行くには、こころとからだのストレス耐性の強化やストレス解消法などの対策を、自分なりに見つける事がとても大切な事となります。