介護職は、介護ケアの利用者が能力に応じた自立した生活を行うために、利用者に添った個別性の高いサービス・支援の提供が求められています。「介護ケアは人の手で行うもの」という考え方が支配的な中で、介護職の離職率は高く、常に人手が足らない状態で仕事をせざるを得ないのが現状となっています。
施設系介護職のストレスについての調査(介護職のストレスと雇用管理のあり方:高齢者介護施設を取り上げて/堀田聰子他・東京大学)によると、介護職の8割以上が職場や職務に対して、①夜勤時に何か起こるのではと不安、②適切なケアが出来ているか不安、③仕事の割に賃金が低い、④休憩時間が取りにくいということを感じているという調査結果が出ています。
介護職が職場や職務に対してストレスを強く感じるのは、①夜勤時に何か起こるのではと不安、②仕事の割に賃金が低い、③休憩時間が取りにくい、④介護従事者数が不足しているという調査結果が出ています。
介護職が職場や職務に対して、利用者に添った個別性の高いサービス・支援の提供を行いたいと考えながらも不全感を感じていたり、十分な休憩を取る暇も無いほどに、仕事を行わなければならないにもかかわらず人手は足らず、夜勤時の対応に緊張を強いられ、感情労働という精神的・情緒的にも負担の多い仕事の割に、社会的評価が低いために賃金が低いという、数多くのストレスを負っていることがわかります。
介護職の健康は、介護ケアのサービス・支援の提供にとって、何よりも優先されなければならないにもかかわらず、数多くのストレスをかかえながらの職務は、感情労働による精神的・情緒的な疲労が蓄積され続け、セルフケアでは改善を図ることは難しく、介護保険制度が目指す質の高い介護ケアや利用者に添ったサービス・支援の提供を目指すことはおろか、継続的な介護ケアのサービス・支援の提供すら危惧される状態になっています。
介護職は、自分自身の健康を守る事は、自分自身のためであることはもちろんですが、安定・継続した介護ケアの提供を行うことになります。安定・継続した介護ケアは、利用者に添う質の高い個別性のあるサービス・支援へつながって行く事になってゆきます。