ノロウイルスの感染経路について
ノロウイルスの感染を予防するためには、感染経路を知っておくことが必要です。ノロウイルスはどのようにして人間に感染するのでしょうか。ノロウイルスの感染経路のほとんどは経口感染(ウイルスに汚染された水や食品を口に入れることによる感染)だと言われており、飛沫感染(ウイルスを含む粒子が空気中をただよい、粘膜に付着することによる感染)の可能性もあるようです。今回は、現在のところ、判明している感染経路について詳しくご紹介します。
食品取扱者を介する感染
近年、増加しつつある感染経路は、「食品取扱者を介してノロウイルスに汚染された食品を食べることによる感染」です。具体的に説明すると、食品に触れる人(食品工場で製造する人、飲食店や給食室で調理する人、家庭で調理する人など)がノロウイルスに感染している場合に、その人が触れた食品もノロウイルスに汚染されてしまい、汚染された食品を食べた人にまでノロウイルスが感染してしまう、という感染経路です。ノロウイルスは感染しても発症しない場合もありますし、軽い風邪のような症状で済む場合もあります。ですから、食品に触れる人がノロウイルスに感染していることに気づかないことは大いにありえます。ですから、食品への汚染を防ぐことがむずかしいのですね。
糞便や嘔吐物による感染
また、感染している糞便や嘔吐物にはノロウイルスが大量に含まれています。糞便や嘔吐物を処理するさいに、処理する人が直接感染するケースも考えられます。さらに、ノロウイルスは乾燥に強く、1ヶ月程度は空気中でも生存すると言われています。感染者の糞便や嘔吐物の処理が遅くなってしまうと、ノロウイルスが空気中に拡散されることになり、たいへん危険な状態になります。感染が疑われる人の糞便や嘔吐物のあとは、充分に消毒することが重要になるのです。