ノロウイルスが流行した2012年
2012年、介護の世界において、関心の的であった病気といえば「ノロウイルス」ですよね。みなさまもノロウイルスについて、新聞やテレビのニュースなどで見たり聞いたりしたことがあると思います。高齢者がノロウイルスに感染する事例はむかしからありましたが、とくに2012年は冬季に高齢者施設での集団感染が目立った年でした。ノロウイルスは高齢者にはもちろんのこと、介護者にも感染する可能性が高いウイルスですから、この機会に感染方法や対策方法について、もう一度確認をしていただきたいと思っております。
ノロウイルスの歴史
さて、ノロウイルスとはいったいどのようなウイルスなのでしょうか。ノロウイルスはまだまだ歴史の浅いウイルスです。ノロウイルスは1968年にアメリカ、オハイオ州の小学校での急性胃腸炎の集団感染事件にて発見されたことがその歴史のはじまりになります。このとき、ノーウォークという町での事件でしたので、「ノーウォークウイルス」と名前が付けられました。その後、ウイルスの遺伝子が詳しく研究された結果、2002年に国際学会にて正式に「ノロウイルス」として命名されたのです。
ノロウイルスを発見するむずかしさ
ノロウイルスがほかのウイルスよりやっかいである点は、ウイルスを検出することが困難である点です。ノロウイルスには、遺伝子のパターンが異なる複数のタイプが存在するようです。ひとつのパターンだけであると、ウイルスを検出できるそうですが、複数あることによって、かんたんには検出できないとのことです。ですから、食品がノロウイルスに汚染された原因や経路などを究明することがむずかしく、ノロウイルスによる食中毒をなかなか防ぐことがないのです。次回は、ノロウイルスの感染方法を説明しますので、ご確認をよろしくお願いします。