仕事を辞めて介護に専念すること
お父様、お母様が介護を必要となって、一人で生活することが難しくなった場合、皆様はどうしますか?ご両親の身体状況、健康状況、経済状況などを考慮した結果、仕事を辞めて介護に専念する方もいらっしゃいます。介護保険を利用すると特別養護老人ホームなどでの施設介護サービスを受けることができますが、費用の問題を気にする方は自分でご両親の介護をしようとする傾向があります。しかし、本当に正しい選択なのでしょうか。
「目には見えない」介護費用
実は、費用の面だけを考えた場合、先の述べた選択は正しいとはいえないケースが多いです。パートをしている奥様が仕事を辞めて介護に専念する場合を考えてみましょう。介護に専念することによって、本来得ることができるはずであったパート収入を失うことになります。奥様が「時給850円で1日6時間、ひと月に20日間勤務する」と想定しますと、パート収入は102,000円になります。この金額が失われるわけですから、102,000円が「目には見えない」介護費用だと考えることができますね。特別養護老人ホームや介護老人保健施設での生活にかかる1ヶ月間の費用は、多床型の場合で6万~7万円前後の金額ですから、パートを続ける方が「お得」だということになります。
施設介護費用を確認することの大切さ
介護に慣れていない方の中には、「なんとなく」施設介護は高額な負担がかかると思っている方が多いですね。しかし、入居する施設の種類や、入居される方の収入状況によって、毎月かかる必要な金額は変化します。必要額を計算してみますと、イメージと全く異なることはよくあります。仕事を辞めて介護に専念する前に、実際にどれだけの費用がかかるのかを確認した上で決断をすることをオススメいたします。