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からだの健康管理には睡眠が重要な役割を持っています

介護職員の身体的健康は、介護ケアのサービス・支援を提供するための基本と言って良いものであります。介護職員の身体的健康を維持・増進することは、利用者への安定した質の高い介護ケアを提供することが可能となります。

介護職員の健康を維持・増進に必要なことは、特別に難しいことを実践する必要はありません。日常生活を規則的に過ごして、食事、睡眠、運動を行うことが必要となります。介護サービスの仕事は、必ずしも日勤の仕事ばかりではありませんので、夜勤の仕事に就いた場合や不規則勤務となった場合に、どのようにして生活リズムを維持して身体の健康状態を整えるかが大きな課題となる可能性があります。

介護職員の日常生活で一番大切なものは、良質な睡眠を摂ることが出来るかという事になります。睡眠は、身体を休め、脳を休めることに加えて、身体の修復と記憶の管理、免疫力の向上が行われます。身体を横にすることで、睡眠に至らなくても身体を休めることは出来ますが、脳は休むことが出来ません。脳を休めるには、睡眠に入り深い睡眠ステージに至らなくてはなりません。

睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠とに分けられて、ノンレム睡眠は1から4のステージに分けられます。通常の夜の睡眠では、ノンレム睡眠とレム睡眠とがおよそ90分周期で繰り返され、ノンレム睡眠で深いステージの段階で脳の休息が図られます。さらに、ノンレム睡眠のステージでは、成長ホルモンが分泌される事により、身体の修復や免疫力の向上を行います。

睡眠は、夜になれば自然に眠くなり眠ることが出来るわけではなくて、起床時間に大きな影響を受けています。ヒトには、体内時計という朝になり太陽が昇って明るくなると目が醒めて、夜になり暗くなると眠るという仕組みを持っています。

体内時計と共に、睡眠に重要なホルモンの分泌が変化します。朝目覚めると眠りのホルモンであるメラトニンの分泌が減少し、それに従って脳内物質の幸せホルモンと呼ばれている、メラトニンの材料ともなるセロトニンの分泌が増えてゆきます。起床から14~16時間後になると体内時計の指示でメラトニンの分泌が高まって行き、身体が昼の活動の状態から夜の休息の状態に変わることで睡眠へと導かれて行きます。

介護職員の健康のためには、良質な睡眠をいかに摂り、脳と身体の休息・修復、免疫力の向上がスムーズに行えるかが重要です。朝は一定の時間に起きる事で、夜のメラトニンの働きを準備するスイッチが入りますので、起床の時間はとても大切です。

朝目覚めて太陽の陽ざしを浴びることでセロトニンの分泌が増えることで、睡眠の準備が始まります。セロトニンの分泌が図られるには、トリプトファンというセロトニンの材料が必要となります。セロトニンを得るためには、3回の食事を必ず摂ってトリプトファンの必要量を得ることが大切です。特に、朝食を摂ることは、セロトニンの分泌が増える午前中に材料を十分に供給することになりますし、幸せホルモンであるセロトニンの分泌は、脳の働きを良くする効果もあります。

介護職員は、日勤だけで無く夜勤などの不規則勤務があり、必ずしも睡眠が夜になるとは限りません。そのような場合に、良質な睡眠を摂るための工夫は、セロトニンの分泌を促す方法のひとつとして、毎日の運動があります。毎日10分の運動を行う事で、セロトニンの分泌が高まります。毎日の運動は、睡眠を摂る2~3時間前までに行わなければ、睡眠に入る身体の準備を乱すことになります。

介護職員の健康維持のためには、良質な睡眠を得る事で、脳や身体の休息や修復と、免疫力の向上がより良く行われることが必要です。そのためには、規則正しい生活とバランスのとれた栄養を摂るための3回の食事、毎日の運動を心がける工夫が重要となります。



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