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誤嚥性肺炎は生理的な老化によるものが多く見られます

誤嚥性肺炎は、加齢による生理的老化や脳梗塞などの疾病による嚥下反射や咳反射の機能低下により、口腔内の常在菌や歯周病菌、虫歯菌などが誤嚥により肺に入り込んだり、吐物の誤嚥により腸管内の常在菌などが肺に入り込むことで生じる肺炎です。

誤嚥性肺炎は、食事の際に食物が誤嚥される顕性誤嚥よりも、睡眠中など無意識のうちに唾液と一緒に口腔内の常在菌や歯周病菌、虫歯菌などが誤嚥される不顕性誤嚥が多くの誤嚥性肺炎の原因となっています。

誤嚥性肺炎の症状は、発熱、咳、喀痰などの肺炎の症状が現れず、元気が無い、食欲が無い、活動性が無いという症状が多く見られます。

誤嚥性肺炎の治療は、肺炎の原因となった病原微生物に対する抗菌剤を服用することになります。肺炎が治癒したとしても、嚥下反射や咳反射の機能低下が改善されることがなければ誤嚥は続くことになります。誤嚥が続けば再発をくり返し、肺炎の原因菌は薬剤耐性菌に変性する可能性が生じます。薬剤耐性菌の誤嚥性肺炎に罹患した場合には、治療が困難となって予後が悪くなることが考えられます。

誤嚥性肺炎の予防には、①口腔ケアを行い口の中を清潔にする。②ブラッシングなどで口腔内を刺激する。③小さめのスプーンで食べるなど、一口の食物量を少なめにする。④むせやすい食物はむせないように工夫する。⑤食べ物に意識を向けて、食事に集中する。⑥食中・食後の姿勢に注意する。⑦嚥下リハビリや嚥下体操を行う。⑧肺炎球菌予防接種などがあります。

食事を行う時に、①飲み込むのに時間がかかる。②口の中に食事を貯めてしまいなかなか飲み込まない。③飲み込んだ後に咳が出る(痰が増える、微熱が出る)という利用者は、誤嚥のリスクや誤嚥性肺炎のリスクが高いと考えられます。介護職員は、食事、口腔ケア、嚥下機能などのアセスメントを行って、利用者の誤嚥や誤嚥性肺炎のリスクを減少させる取り組みを行わなくてはなりません。



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