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皮膚内出血・皮膚剥離事故の予防にはヒヤリハットの活用が効果的です

皮膚内出血・皮膚剥離は、加齢による生理的老化によって高齢者には、皮膚の代謝機能の低下や細胞の減少による「肌やせ(ひ薄化)」によって、皮膚が薄く弱くなっているために起きるものです。さらに免疫機能の低下が加わり、皮膚内出血や皮膚剥離が治癒しにくくなり、健康と見られる高齢者でも打撲や摩擦を起こしやすい場所にいくつもの瘢痕が見られたり、軽快と憎悪とを繰り返したりすることになります。

皮膚内出血・皮膚剥離事故は、介護ケアの利用者が持つ「肌やせ(ひ薄化)」がハザードとなります。介護ケアの提供者である介護職のスキルが、「肌やせ(ひ薄化)」というハザードを介護事故のリスクにすることになります。皮膚内出血・皮膚剥離は高齢者には起こりがちなスキントラブルと考えるのは間違いで、皮膚へのケアや栄養状態の改善、着衣の配慮や福祉機器の見直しなどの取り組みを行うことでスキントラブルは改善される可能性があります。一方でスキントラブルの改善の有無にかかわらず、皮膚内出血・皮膚剥離事故が繰り返されるリスクは、介護職のスキルに原因があると言えます。

東京都東村山市にある特別養護老人ホーム・白十字ホームでは、東京都が行った福祉施設へのマネジメントガイドライン作成事業に参加して、「事故・ヒヤリハット報告の仕組みの見直し」を行い皮膚内出血・皮膚剥離の全件報告を行いました。

小さなものも報告するということで、膨大な量の報告が上がって職員の負担が大きいと心配されましたが、皮膚内出血・皮膚剥離の好発部位や好発利用者とその介護度、頻度などのハザードやリスクが明らかになり、介護事故の未然防止を図っているとのことです。

皮膚内出血・皮膚剥離事故の予防には、ケアチーム全体でハザードやリスクを知る事で、移乗介助の方法などについて勉強し直してスキルアップを図ったり、車いすをモジュラー型のものに交換するなどの福祉機器の見直しが必要と考えられます。また、栄養状態と全身状態のチェックをし、全身状態の維持・改善、特に皮膚の代謝機能や免疫機能に必要な栄養素の摂取を図る取り組みを行う必要があり、医療職者や管理栄養士との協働が行われる事が求められます。

出典:社会福祉施設における組織マネジメント(東京都福祉保健局)
   http://www.fukushizaidan.jp/htm/023sokushin/pdf/h26_management_text.pdf



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