介護職に求められている職業倫理は、介護の専門職及び対人援助を行う専門職として求められる判断・行動に対する規範となるもので、全国ホームヘルパー協議会倫理綱領や日本介護福祉士会倫理基準(行動規範)の規定が示していると言えます。
日本介護福祉士会倫理綱領(基準)
1.利用者本位・自立支援
2.専門サービスの提供
3.プライバシーの保護
4.総合的サービスの提供と積極的な連携、協力
5.利用者ニーズの代弁
6.地域福祉の推進
7.後継者の育成
全国ホームヘルパー協議会倫理綱領
①ホームヘルプサービスの目的
②自己研鑽、社会的評価の向上
③プライバシーの保護
④説明責任
⑤サービスの評価
⑥サービス内容の改善
⑦事故防止、安全の配慮
⑧関連サービスとの連携
⑨地域福祉の推進
⑩後継者の育成
介護福祉士の倫理綱領(基準)とホームヘルパーの倫理綱領には、同じ職種として仕事をする専門職であることから、介護福祉士綱領の半数以上(1≒①、3=③、4=⑧、6=⑨、7=⑩)がホームヘルパーの綱領と同じ項目となっています。介護福祉士綱領に基づく行動規範(綱領の具体的内容)を見ると、ホームヘルパー綱領にある内容が含まれており(2⊃②・④・⑤・⑥)ホームヘルパー綱領のいくつかの内容は行動規範と言って良いものと考えられます。
介護職の職業倫理はなにかを考えるには、介護の専門職としての社会的役割・責任や、介護職として何を目指し、どのように仕事をして行くかということを考えなくてはなりません。介護福祉士倫理基準(行動規範)は、介護職が介護の専門職としての持っていなくてはならない職業倫理、介護職が持っていなくてはならないバックボーンを示していると考えられます。
介護福祉士倫理基準(行動規範):http://www.jaccw.or.jp/pdf/about/H24_rinrikizyun_.pdfを全てを実践するというのは難しい事ですので、ひとつひとつを良く知った上で、介護の専門職としてサービス・支援の提供を行いながら、ひとつずつ実践して積み重ねてゆく事が望まれます。
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