介護保険にかかわらず専門職間の、協力、連携、共働、協働などについて、長い間の課題とされています。類似の意味の言葉がくり返し新しい言葉として使われるようになっていることからも、専門職間にある深くて広い問題で有り続けていることがわかります。この問題の原因と考えられるのが、それぞれの専門職にある専門性という意識の壁と考えられます。
利用者を主体とする介護ケアのサービス・支援の提供によるニーズの達成、解消という目標を、ケアチームとして行ってゆく事だけを考えるならば、専門職として専門性を生かせる役割分担と協働を行えば、特別な問題は起こりえないと思われます。実際のところでは専門性という専門職の特徴のために、専門職間が背中を向き合わせたり、接する事を避けたりという事が意識・無意識のうちに起っています。
介護ケアを行う専門職として利用者を知ることが、利用者を主体とするサービス・支援の提供には必要なことであると同様に、ケアチームのメンバーについて専門職としての職務、職域、職能などの内容を知る事は、専門職間の情報共有、意識統一に必要なことであり、専門性を生かしたケアチームの協働をより良くするための手がかりとなります。
専門職としての職務、職域、職能などを知る事で、介護職と他の専門職との職域が重なっていたり、接していたり、サービス・支援の内容や専門性を知ることが出来ます。専門性の違いによるサービス・支援の提供が利用者へどのような効果として現れるかを確かめることで、その技能、態度などを介護職にあった形で取り入れる事も、質の高い介護ケアの提供には必要と考えられます。
これからの介護ケアは、介護と医療との協働を超えて融合を目指すと言われており、試行的な取り組みを行っているところもあるようですが、やはり専門性という壁は取り払う事は難しいようです。
専門職の間にある奥底の深くて広い問題の犠牲者は、介護ケアを必要としている利用者となります。介護職は、利用者が主体となる介護ケアのサービス・支援がより良く行われるために、介護の専門職として介護ケアを行う他の専門職種の職務、職域、職能などを知り、専門職間の専門性という意識の壁を低くし風通しが良くなるよう取り組むことが求められます。
専門職は、専門的な知識、技能、態度を習得しており、高い専門性を持つという意識を持っていますが、高度な専門的な技能については専門職に求められるものですが、専門的な技能も一般でも行えるようなものであれば、可能な限り普及させる事も専門職の職務であると考えます。また、専門職は難しい専門用語を駆使することが専門職の証しだと言う風に思われていますが、これも難解な専門用語や知識をそのまま話したり、記録などに記したりすることは、まだまだ専門職としては未熟だと言わざるを得ないでしょう。
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