介護職を取り巻く福祉職の人々といえば、介護福祉士と並ぶ資格である社会福祉士が上げられます。社会福祉士は、介護福祉士と同じ昭和62年に定められ、介護福祉士と同様の「名称独占」の国家資格で、社会福祉士国家試験に合格することが必要となっています。
社会福祉士の定義は、社会福祉士及び介護福祉士法の第二条に「社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うこと」となっています。
社会福祉士は、社会福祉分野の専門職として期待され定められたもので、介護福祉士と同様に独立開業権はありますが、多くは行政機関や社会福祉協議会など関連団体の福祉系職員、福祉施設の職員として仕事をしています。介護関連の職種としては、入所施設や入居施設、通所施設などの相談員、指導員の仕事やケアマネージャー、地域包括支援センター職員として働いており、地域包括支援センターの社会福祉専門職員は社会福祉士資格が必須となっています。
社会福祉士と並ぶ国家資格に、精神保健福祉士があります。精神保健福祉士は、精神障害者の保健・福祉に関する専門的知識、技術を、精神科病院その他医療施設や精神障害者の社会復帰施設などの利用者に対する相談・支援を行う専門職とされています。精神保健福祉士も介護福祉士と同様の「名称独占」の国家資格で、精神保健福祉士国家試験に合格することが必要となっています。
精神保健福祉士は、精神科病院、精神科併設の医療機関、クリニック、保健所のPSWの仕事や精神障害者施設や精神障害者グループホーム、高齢者施設で相談員や指導員として仕事をしています。
介護保険制度が始まるまでの高齢者福祉の専門職としては、地方自治体の福祉事務所(保健福祉センター、福祉保健センター)の高齢者担当のケースワーカーがケアマネージャーの仕事をほぼ行っていました。介護保険制度が始まって、ケアマネージャーに業務のほとんどは移りましたが、地方自治体独自の制度、介護保険認定調査や虐待対応など、ケースワーカーは高齢者福祉制度、介護保険制度の仕事を引き続き行っています。
福祉事務所には、生活保護制度の現業員(ケースワーカー)が生活保護事務と生活保護受給者への支援を行っており、介護保険制度の対象となっている高齢者などへの介護ケアについては、チームアプローチの一員として協働が必要な社会資源となる専門職となります。
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