介護職を取り巻く介護の人々といえば、やはり介護福祉士がまず第一に上げられる職種と考えられますが、介護福祉士は職種というよりも資格としての色彩が濃いものと考えられます。介護福祉士として独立開業する事は可能ですが、実際には介護職と、サービス提供責任者やケアマネージャーなどの専門職種を介護福祉士としての資格で仕事をしています。
介護職は、国家資格である介護福祉士をはじめとして、認定資格となる介護職員実務者研修終了者、介護職員基礎研修終了者、ホームヘルパー1級修了者、ホームヘルパー2級修了者、介護職員初任者研修終了者などが仕事をしています。約133万人(平成22年度)の介護職員には、数多くの種類の資格を持った人々が仕事をしている事になります。
約133万人の介護職員のうち、99.5万人が居宅サービス等(介護保険施設以外の事業者)で仕事をしており、訪問介護サービス事業者の訪問介護員は約37.3万人となっています。訪問介護サービス事業者には、訪問介護員40人に1人のサービス提供責任者(=[運営管理者]+[コーディネーター]+[スーパーバイザー])という役職の職員の配置が義務づけられています。
サービス提供責任者は、平成22年度で5.2万人が仕事をしており、介護福祉士もしくは介護職員実務者研修修了者、ホームヘルパー1級修了者のいずれかの資格取得者が従事できる役職となっています。
平成24年度から「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」が開始され、今後は毎年2万人の有段者が生まれる見込みとなっており、介護キャリア段位はレベル1からレベル7までの7段階で、現在のところでは最高の段位はレベル4となっていますが、将来的には「認定介護士」の制度が始まると認定介護士となる事で、レベル5以上の段位を得る事が出来るようになる見込みです。
介護職として働くための資格だけでも数多くの資格があり、その上に「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」が資格とは別の実践力を示す認定段位として始まっており、介護職を取り巻く環境は多彩な職場だけでなく、資格や段位も様々な人々が介護職の周りを取り巻いていることになります。
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