介護職は、介護の専門職として介護の知識、技能、態度等を身につけて、利用者のモチベーションに添いながら、場面に合わせた距離感を意識しながら保つことで、利用者の自立・自律した日常生活が行えるように介護サービス・支援の提供を目指します。
介護職員として仕事を始めるに当たっては、介護の知識、技能、態度等については、研修、授業や実習で基本的な事は身につけていると考えられますので、ケアプランや訪問介護計画に従った介護サービス・支援の提供は可能なはずです。しかし、専門職として望ましい態度、姿勢で利用者のモチベーションに添いながらサービス・支援が必要十分に、かつ場面に応じた距離感を保ちながら柔軟に提供出来るかというと、介護職員の個々の経験や資質などの要因も加わり、専門職として望まれるサービス・支援の提供どころか、日常生活で普通に行われているはずの行動や配慮が行われない事態が生じることもあります。
介護職にかかわらず誰にでも新人、未経験者の時はありますから、訪問介護事業者にはスーパーバイザーとなるべきサービス提供責任者が配置されていますので、OJTを受けながら専門職として望まれる態度、姿勢や利用者との距離感の持ち方だけでなく、質の高い介護サービス・支援を行うために知識や技術の習得を目指さなくてはなりません。
新人の時には大いにスーパーバイザーや先輩介護職員を利用して、理論だけではなく経験に裏付けられた実践力を身につけることが必要です。また、チームアプローチのメンバーとして協働してサービス・支援を行う社会資源からも利用者の事だけではなく、それぞれの専門職者等が持つ知識、情報を得る事や、自分の持っている知識、情報も伝えることも心がけましょう。
介護職員は、平成22年(2010年)には133万人以上が介護サービス・支援の仕事に従事しています。これだけ大勢の人々が介護の仕事をしていますから、それぞれの個性や経験、資質などは千差万別と言って良いと言えます。介護サービス・支援の提供には、利用者をまず知る事、その前に自分を知る事が大切であると同じように、同じ介護の仕事をする人に対しても、相手を知る事、介護専門職である自分を知る事が大切となります。
介護職員が目指すかかわりは、利用者や仕事について知る事へのモチベーションを高く持ちながら、専門職者として望ましい態度、姿勢、距離感を意識し、利用者のモチベーションに添ったサービス・支援の提供を必要十分に行いつつ、より質の高いサービス・支援を行うためにチームアプローチ(社会資源)を最大限活用して行くことです。
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