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介護保険制度が目指すのは居宅生活の継続です

高齢者の日常生活は、長年住み慣れた住まいで、加齢に伴う生理的老化や病的老化などによって生活に支障が生じたり、近親者との別離、退職などの喪失という生活環境の変化を体験しても、自らの生活経験による知恵と工夫や近親者や近隣からの援助などによって、自立した生活を送り続けていると考えられます。

高齢者の心身状態は、加齢に伴う老化の進行によって日常生活の自立が困難となったり、他の年齢階層に比べると、生活環境の変化が心身状態の変化につながりやすく、それが疾病や障害となることにより、自立した生活が困難になる可能性は加齢と共に大きくなります。

高齢者が誰かの手助け、介護が必要となった場合に、「住み慣れた地域や住まいで、尊厳ある自立した生活を送ることが出来ることを目指す」ことを目的として、介護保険制度を利用したサービス、支援の提供が行われることになります。

高齢者が介護保険制度を利用することによって得られるサービス、支援は、高齢者の自立していた時の日常生活の継続を基本としなくてはなりません。そのためには、高齢者の自立していた時の自宅内の様子と本人の動作や近親者や地域との関係などについて知ることが必要となります。

介護サービス、支援の提供に伴う生活環境の変化を最小限にするための配慮を行うことで、高齢者の心身状態の負担が軽減され、自立して生活していた時と同じように過ごして行こうという、モチベーションを高めて利用者本人の力を引き出して行く支援が必要です。

高齢者が介護を必要とした際に、本人のモチベーションを高めて、利用者の力を引き出し自立への取り組みを支えるには、日常生活の行為の代行となったり、利用者の依存につながらないような支援を行わなくてはなりません。支援に際して禁止の言葉や指導の言葉を発する事は、利用者のモチベーションを下げる事になるだけでなく、尊厳を損なうことになりますので注意が必要です。

居宅生活を続けることへの支援は、利用者の生活環境を知ることに始まり、生活環境の維持と活用をはかりながら、利用者本人の自立した生活へのモチベーションを引き出して行き、自立への取り組みを支えることが必要となります。そして、利用者の行為の代行や依存が生じない自律した日常生活を送るためには、利用者の動作を見守りながら、危ないときには速やかに支援が出来る、利用者の心身に寄り添った介護が必要と考えられます。

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