孤独な介護の体験談
「私は長いあいだ、高齢の母との二人暮らしでした。自宅で一人、認知症の母の介護をやってきたことになります。介護サービスがあることを知っていましたが、費用がかかると思って、利用することをためらっていました。一人で何とかできるうちはよかったのですが、母の認知症が進行するとともに介護が苦痛になっていきました。24時間、母の介護だけの孤独な生活にどんどん絶望していきました。あのときもしも、誰かに相談していなかったら、どうなっていたのか、おそろしくなります。」
一人だけで介護をする厳しさ
一人で認知症の母の介護をやってきた女性の体験談を紹介しました。この女性のように、ご家族の介護を一人だけで長期間続けていますと、どうしても無理があらわれてくる場合が多いです。特に認知症のご家族を介護するときには、24時間目を離すことができないケースもあると思います。このような介護生活を一人でやっていくことはなかなか厳しいことですよね。この体験談を読んだ方の中には、強く共感できる方がいらっしゃるかもしれません。
無理のない介護をするためのアドバイス
みなさまに知っておいてほしいことは、「一人で悩まず、すぐに相談すること」と「家計の状況に応じて、少ない費用で介護サービスを利用できること」です。みなさまがお住まいの地域には、生活に関するいろいろな事柄を相談できる「民生委員」とよばれる人々が必ずいます。民生委員は身近な存在ですから、介護生活に悩みがある場合には気軽に相談することで状況が打開される可能性があります。また、お金に余裕がない場合であっても、介護保険制度を利用することで十分に介護サービスを受けることができます。ためらわずに地域の民生委員や自治体の担当課に相談をしてください。