民間サービスの代表的なものには、◆見守りサービス、◆緊急通報サービス、◆配食サービス、◆家事支援サービス、◆移送サービスなどがあり、介護保険制度や自治体が設けているサービスと類似したものとなっています。
介護保険サービスと民間サービスとを比べると、介護保険サービスは公的制度として、提供内容、対象者、利用料、利用限度額などが定められ、利用限度額までは1割の自己負担となっています。そして、民間サービスは私的契約を行って提供内容、対象者、利用料などが決められた上でサービス提供が行われ、費用は全額自己負担が原則となります。
介護保険制度のサービスは、要介護もしくは要支援の認定を受けている方のみが利用可能で、介護保険被保険者であったとしてもその他の高齢者などは対象外となります。さらに要介護度や要支援度によって利用できるサービス量の上限(限度額)が決められているものがありますので、要介護や要支援の認定を受けていたとしても、限度額を超えてしまえば超過分は全額自己負担となってしまいます。
介護保険制度や自治体が提供するサービスには、利用についての要件があり、内容も限定的となっています。特に、訪問介護(ホームヘルプサービス)では、家事援助サービスの支援内容は日常的な家事援助と限定され、移送サービスについても支援内容の制限があるため、利用者にとってはとても不便を強いられ、快適な生活を維持するためのサービス提供が行われているとは言えない状況となっています。
民間サービスは、費用については全額自己負担で必ずしも利用しやすい金額設定とはなっていません。しかし、介護保険制度や自治体が提供するサービスに比べると、契約の範囲であれば特別な要件が定められている事はありません。そして、サービス内容も幅広く、利用者にとってきめ細かいサービスが提供されていることから、介護保険事業者が介護保険外サービスとして行うだけで無く多くの事業者が進出する状況となっています。
介護保険制度のサービスには限度額があり、介護保険事業者の多くが民間事業者となっておりますので、限度額を超えたサービス利用が介護保険の限度額超過分のサービスか、全く別の介護保険外の民間サービスなのかについて確認が必要となる場合があります。