地域ケアという考え方が取り入れられ地域のネットワーク作りが言われるようになって長い年月が経ていますが、少子高齢化や過疎化などネットワークの基盤作りの難しさや行政の施策の方針転換などが繰り返されることもあり、地域ケア、地域ネットワークは必ずしも行政の目論見通りに進んで来たとは言えません。
それでも地域の住民組織や活動団体、行政、関係機関との協働が成果をあげて、地域で生活する要援護者への地域ネットワークを生かしたサービスや取り組みが行われているところもあります。地域ネットワークを生かした活動には、個別援助活動とグループ援助活動の二つの種類があり、次のようなサービスや取り組みが行われています。
地域ネットワーク活動
個別援助活動
見守り・声かけ訪問活動
家事援助活動
介護・介助援助活動
軽作業援助活動
ガイドヘルプ活動
介護用具・自助具製作、衣類等のリフォーム活動
グループ援助活動
ふれあい食事サービス
いきいきサロン(仲間作りと寝たきり・認知症予防活動)
ミニデイサービス
地域リハビリ
子どもとのふれあい交流(世代間交流)
子育てサロン(育児支援・・・対象は育児中の養育者と子など)
地域ネットワーク活動に参加する方達は、支援の対象となる高齢者や障害者などの要援護者とボランティアとしての地域住民や各種地域活動団体関係者や行政およびその関係機関の職員などの支援者です。介護保険制度などの公的制度でフォローすることが出来ない、地域での生活を支えるためのきめ細やかな配慮が必要な活動から、地域内での要支援者同士や支援者との共生を目指す活動などが行われています。
介護保険サービスや自治体サービスなどの公的(フォーマル)なサービスだけでは、介護保険サービスの対象者、高齢者への支援は不十分なものとなっているのが現状で、可能な限り地域ネットワーク活動をはじめとする私的(インフォーマル)なサービスの活用を図ることで、高齢者の生活の質をより良いものにする必要があります。