介護職員初任者研修は、在宅介護、施設介護を問わず介護職として仕事を行う入り口として必須の研修と同時に、介護福祉士の資格を取得することを目指す事を目的とすることを前提にした研修と位置づけています。そして、介護職員初任者研修を含め、介護福祉士の資格を取得することを容易に目指す事が出来るように、国は介護職員の育成プランを示しています。
将来、介護福祉士の資格を取得することとなり介護福祉士となるもう一つの道すじである介護福祉士養成課程との間で知識などの差が生じ無いように、介護福祉士養成課程との整合性を持つカリキュラムと内容で介護職員初任者研修は行われる事になっています。
介護職員初任者研修のカリキュラムは、これまでの訪問介護員2級養成研修と同じ総研修時間は130時間と変わっておらず、受講者の負担が変わらないように配慮されていると同時に、介護福祉士養成課程との整合性を図ったり、実習を行わずに講義の中で演習を行いながら研修を進めて行く内容に変わっています。
国は、介護職員初任者研修で目指す11項目の到達目標を設定しています。
①基本的な介護を実践するために最低限必要な知識・技術を理解できる。
②介護の実践については、正しい知識とアセスメント結果に基づく適切な介護技術の適用が必要であることを理解できる。
③自立の助長と重度化防止・遅延化のために、介護を必要とする人の潜在能力を引き出し、活用・発揮させるという視点が大切であることを理解できる。
④利用者が出来るだけなじみのある環境で日常的な生活を送られるようにするために、利用者一人ひとりに対する生活状況の的確な把握が必要であることを理解できる。
⑤他者の生活観及び生活の営み方への共感、相手の立場に立って考えるという姿勢を持つことの大切さについて理解できる。
⑥自立支援に資するサービスを他職種と共同して総合的、計画的に提供できる能力を身につけることが、自らの将来の到達目標であることを理解できる。
⑦利用者本位のサービスを提供するため、チームアプローチの重要性とその一員として業務に従事する際の役割、責務等を理解できる。
⑧利用者、家族、他職種との円滑なコミュニケーションの取り方の基本を理解できる。
⑨的確な記録・記述の大切さを理解できる。
⑩人権擁護の視点、職業倫理の基本を理解できる。
⑪介護に関する社会保障の制度、施策、サービス利用の流れについての概要を理解できる。
盛りだくさんな目標となっていますが、介護職員初任者研修の内容と講義がこの目標に沿った懇切丁寧なものとなっており、受講者の良く染み込んで美味しいおでんのように味わいのある介護の仕事が出来るようになり、仕事をはじめてからも介護の仕事、情報、知識、技能を知る事の面白さが介護福祉士への道しるべになれば良いと思います。