認知症患者を支える家族の愚痴を聞く
認知症の在宅ケアをしている家族のストレスに気を付けましょう。家族にとっては経済的、時間的、精神的な負担が24時間つきまといます。家族が仲良く、愛情豊かな人間関係を築いている家族であればあるほど、その負担やストレスは溜まりやすいと言えます。「家族が支えなくては、認知症の家族に辛い思いをさせないように」と朝・夜関係なくケアをしようとするからです。
また認知症はゆっくりと進行し、徐々に家族の認識が曖昧になりますから、愛情深く接していても、感謝の言葉ひとつ聴けるわけではありません。それがケアする家族にとって、報われない気持ちにさせてしまいます。
そうした家族の愚痴を聞くことは、とても大切なサポートです。
介護保険など経済的な負担軽減の情報は積極的に伝える
認知症の進行はゆるやかで、家庭での生活も工夫次第で維持することができる反面、そうした環境を維持する家族にとっては経済的な負担が大きくなります。仕事と介護の板挟みになり、どうしても介護優先になる家族も多いのです。保険などの情報は積極的に伝え、利用を進めましょう。経済的なゆとりは精神的なゆとりにも繋がります。
地域のケアマネジャーや専門スタッフとの連携
経済的な負担軽減と同様に大切なのが、時間的負担の軽減です。認知症が進行するにつれ、介護する家族からは、目が離せない、留守にできないなどの不安が聞かれるようになります。四六時中、認知症の家族の傍で、ときにはわがままな暴言を聞きながら介護を続けるのは辛いものです。デイケアサービス、ショートステイなど活用できるサービスは、早い段階から活用をはじめ、家族が自由に自分のために使える時間を確保することを進めましょう。
介護する家族が精神的にも、時間的にもゆとりを持つことが、認知症の人の快適な毎日に繋がります。