有料老人ホームの月払い金の内容はどのようなものでしょうか
有料老人ホームの月払い金は、主に家賃相当額と管理費、食費が対象になっています。前払金のある有料老人ホームのうち前払金を入居一時金として全額支払う方式の場合は、入居時に家賃相当額は全額支払っていますので家賃相当額は月払い金の中には含まれません。
注意しなくてはならないのは、前払金のある有料老人ホームで入居一時金を一部支払う方式の場合は、入居後も家賃相当額を支払う事になることです。この場合には月払い金の内容の確認だけでなく、支払うことになる残りの家賃相当額の金額が他の支払い方式がある場合とどの程度異なるのか、入居時一時金の内容も含めて十分な確認が必要です。
ここでは、月払い金のうち有料老人ホーム調査のアンケート結果で公表された家賃相当額と管理費について確かめて見る事にします。
介護付有料老人ホームの月払い金はどのくらいかかるのでしょうか
家賃相当額については、介護付有料老人ホーム(以降、介護付ホーム)一般居室、介護居室いずれの場合も最多価格帯は5万円から7万5千円未満となっています。入居一時金を一部支払う方式も月払い方式のいずれも同じ価格帯が最多価格帯となっています。
入居一時金を一部支払う方式の最多価格帯が月払い方式の最多価格帯と同じという事から、この方式を利用しての入居を検討するにはやはり注意、確認が必要だと思われます。
管理費については、介護付ホーム一般居室では5万円から7万5千円が最多価格帯となっています。介護居室では3万円から5万円未満が最多価格帯となっていますが、3万円未満、5万円から7万5千円未満、10万円から15万円未満の価格帯もほぼ同率となっています。
介護居室の管理費のばらつきは、入居時一時金を全額支払う方式の約60%が10万円から15万円未満、入居一時金を一部支払う方式の約40%が5万円から7万5千円未満、月払い方式で前払金がある介護付ホームの約51%が3万円未満、月払い方式で前払金なしの介護付ホームでは3万円未満と3万円から5万円未満が約38%ずつを最多価格帯にしているという利用料の支払い方式によって管理費の最多価格帯が異なっている事によります。
介護居室に入居時一時金を全額支払って入居した場合には、家賃相当額を支払う事はありませんが、他の介護付老人ホームでは取られないような高額の管理費を支払う必要があることも考えられますので、入居を検討する際には管理費の金額、内容等については十分に注意、確認が必要だと思われます。
住宅型有料老人ホームの月払い金はどのくらいかかるのでしょうか
家賃相当額については、住宅型有料老人ホーム(以降、住宅型ホーム)一般居室、介護居室いずれの場合も最多価格帯は3万円から5万円未満となっています。入居一時金を一部支払う方式の一般居室では、5万円から7万5千円未満、7万5千円から10万円未満の価格帯も最多価格帯と近い比率をしめており、介護居室でも5万円から7万5千円の価格帯が近い比率となっており、月払い方式の住宅型ホームに比べると高い家賃相当額の支払いが必要な場合も少なくないと考えられます。
管理費については、一般居室では1万円から3万円未満が、介護居室では1万5千円から3万円未満が最多価格帯となっています。住宅型ホームでも入居時一時金を全額払う方式の約47%の一般居室、約71%の介護居室介護居室が10万円以上を最多価格帯としています。
住宅型ホームでも介護付ホームと同様に入居時一時金を全額支払って入居した場合には、他の住宅型老人ホームと比べると高額の管理費を支払う必要がある事も考えられますので、入居を検討するには管理費の金額、内藤要に十分な注意、確認が必要だと思われます。
管理費は「有料老人ホームに関する不当な表示」に指定があります
公正取引委員会が平成16年4月2日に告示した「有料老人ホームに関する不当な表示」指定項目中の第12項に「管理費、利用料その他何らの名義をもってするかを問わず、有料老人ホームが入居者から支払いを受ける費用(介護サービスに関する費用及び居室の利用に関する費用を除く。)についての表示であって、当該費用の内訳が明りょうに記載されていないもの」という指定内容があります。
管理費、利用料という名目では包括すぎてその使い道が直ぐに理解できないものについては、その内訳が明らかにされていなければならないという規定です。管理費や利用料については、その細かい内訳について明示されていなければなりません。また、利用者が個別に選択して利用するサービス提供について、利用者の支払いを受ける費用がある場合には、管理費、利用料等に含まれるものと間違われないように明らかにされている必要があるとなっています。
管理費の不透明さは公正取引委員会の指定でどれだけの改善があったかは、有料老人ホーム調査で公表された資料からは残念ながらわかりませんが(全体的に情報の内容が不透明であることや公表への消極姿勢は良く判ります)、有料老人ホームについては管理費だけでなく多くの不公正と考えられる表示や営業活動があるという事を、国も大きな問題として認識しているという事だけは理解出来ます。