有料老人ホームの前払金の根拠になる居室はどのくらいの広さでしょうか
有料老人ホームには介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの2種類が大多数を占めており、健康型有料老人ホームはごく少数となっていますので、有料老人ホームに入居するという事を考えるとすれば、介護付有料老人ホームか住宅型有料老人ホームのいずれかという事になるでしょう。
有料老人ホーム調査では入居利用に関する費用については、一般居室または自立者向けの居室と、介護居室または要介護者向けの居室について、いずれも最多面積の居室に入居する場合の費用について、各施設へアンケートを行った結果が公表されています。
有料老人ホームの最多面積の平均は、一般居室・自立者向け居室(以降、一般居室)について介護付では26.8㎡、住宅型では19.5㎡となっており、介護居室・要介護者向け居室(以降、介護居室)については介護付では19.1㎡、住宅型では14.8㎡となっています。これらの居室の広さを前提として前払金についてのアンケート結果を見てみる事にしましょう。
介護付有料老人ホームの前払金はどのくらいかかるのでしょうか
介護付有料老人ホーム(以降、介護付ホーム)の平均価格と中央値とを見てみますと、一般居室の平均価格は1、495万円で中央値は840万円となっています。介護居室の平均価格は、626万円で、中央値は480万円となっています。このことから一般居室の価格にはかなりのばらつきがあり、介護居室の価格にはそれ程のばらつきがない事がわかります。
介護付ホームの一般居室の最多価格帯の前払金は5百万円から1千万円未満となっており、介護居室の最多価格帯も同様に5百万円から1千万円未満となっています。ただし、一般居室については、250万円から5百万円未満と1千万円から2千万円未満の価格帯も最多価格帯に近い比率となっており、介護付ホームの一般居室については最多価格帯で見ても価格帯の幅があるという事がわかります。
住宅型有料老人ホームの前払金はどのくらいかかるのでしょうか
住宅型有料老人ホーム(以降、住宅型ホーム)の平均価格と中央値とを見てみますと、一般居室の平均価格は419万円で、中央値は31万5千円となっています。介護居室の平均価格は538万円で、中央値は22万円となっています。このことから住宅型ホームでは、一般居室、介護居室いずれも価格にばらつきがある事がわかります。
平均価格と中央値とが著しく異なっているのは、一般居室に入居する場合に入居時一時金を全額支払う必要がある施設のうち半数以上が一時金の額が1、500万円以上で、介護居室に入居する場合にも同様の支払い方式の施設では、43%が1千万円以上であることが原因と考えられます。
一般居室の最多価格帯は10万円から25万円未満となっており、介護居室の最多価格帯も同様に10万円から25万円未満となっています。ただし、入居時一時金の支払い方式によって最多価格帯が著しく異なっており、一般居室に入居する場合に入居時一時金を全額支払う場合には、最多価格帯が1、500万円以上で、一部払いの場合は100万円から500万円未満、月払いで前払金ありの場合は10万円から25万円未満の価格帯が最多となっています。介護居室に入居する場合には、全額支払う場合の最多価格帯が1千万円以上となっている他は、一般居室と同様の最多価格帯になっています。
住宅型ホームの入居を検討する際には、入居時一時金を全額支払う方式の施設の場合は、介護付ホームと同様に高額の資金が必要となる事に加えて、介護付ホームとは異なり介護が必要となった場合には、地域の介護保険サービスを利用することになる点などについて注意が必要です。