有料老人ホームの建物や設備についてどのようなきまりがあるのでしょう
有料老人ホームは入居している方が快適な日常生活を送ることが出来るような建物の大きさや設備を備えなくてはなりません。また、施設のある地域と違和感を感じさせない建物の外観等にするよう配慮が求められています。
自治体によっては、入居契約に定めがない場合には「契約締結時に20年以上の長期間利用が出来るような耐用年数を有している必要がある」としているところもあります。確かに入居契約期間中に立て替えによる生活環境の変化が生じたり退居などとなっては困りますので、建物の耐用年数の確認と老朽化の場合の対応については確認が必要です。
有料老人ホームの緊急時の設備にはどのようなきまりがあるのでしょう
長崎のグループホーム火災や障がい者施設の火災死亡事故などくり返し起きていることから、火災死亡事故に有料老人ホームなどの集団生活を行う場では巻き込まれる可能性が高いことが考えられます。有料老人ホームで生活をする上で介護の体制や水準の高さも重要ですが、建物の火災に対する耐火性や警報、消火設備、そして火災だけで無く事故、災害などの緊急時の対応、体制を確認する事も重要となります。
有料老人ホームは耐火建築物または準耐火建築物で、退避設備(非常階段・シューターなど)、消火設備(消火器・スプリンクラーなど)、警報設備(火災報知設備・自動通報装置)、その他地震、火災、ガス漏れ等の防止や事故・災害に対応するための設備が設けられていなければなりません。
参考:耐火建築物とは(http://www2u.biglobe.ne.jp/~katana/taikakenchikubutsu.htm)
有料老人ホームの設計基準にはどのようなきまりがあるのでしょう
平成13年に国土交通省が定めた「高齢者が居住する居宅設計に係る指針」に留意して、有料老人ホームで生活される方の身体機能の低下や障害が生じた場合にも対応できるよう配慮しなくてはなりません。この国土交通省が定めた指針には、●部屋の配置、●段差の条件、●手すりが必要と考えられる場所、高さ、●通路の幅、●階段の幅や高さ、構造、●トイレ、浴室、寝室の広さなどが細かく定められています。
国が定めた指針に加えて、介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームについて、廊下や居室などの入居者が通常移動する設備は、車いすでの移動が可能なスペースと設備が確保されている事を定めている自治体もあります。
※有料老人ホームには国が決めた標準指導指針があります。そして、それに基づいて各都道府県と一部の市が独自に指針を定める事となっています。各自治体の指針は自治体独自の内容を持つ事も出来ますので、施設を選択する際には施設所在地の自治体が定めた運営指針を確かめるのは、施設が運営を行う際に必要な条件を知るには参考になります。
また、どのような事にも原則があれば例外があるように、この指針についても例外規定が既設の有料老人ホームなどに対してありますので、施設を検討する際には注意、確認が必要です。