どのような場所に建てるよう求められているのでしょうか
入居者が健康で安全な生活が維持できるために、交通の利便性、地域の環境、災害に対する安全性や医療機関との連携などを考慮した場所に建設することが求められています。そして、長期に亘って高齢者が介護サービスを受けながら生活する場である事から、住宅地から遠距離だったり入居者が外出する際に不便が生じるような場所に建設することは好ましくないとされています。
土地や建物についてどのような条件があるのでしょうか
土地や建物には有料老人ホーム以外の目的による抵当権や有料老人ホームとしての利用を制限するおそれのある権利が存在しない事が条件となっています。
登記簿謄本でどのような抵当権が付されているか確認することや、入居中に施設が閉鎖や施設事業者とは関係のない事業者が入ってきて入居生活に支障が生じる事態になるなどという問題が生じる可能性がないか、登記簿謄本や所管自治体の指導調査の結果を確認する必要があります。
借地の場合にはどのような条件があるのでしょうか
有料老人ホーム事業のための借地であることや、土地の所有者が有料老人ホーム事業の継続について協力する事を契約上明らかにしていなければなりません。また、入居者との間に入居契約期間が定められていない場合には、借地契約の最初の契約期間は30年以上として自動契約更新が行われる事が契約に入っていなければならないとされています。
無断譲渡、無断転貸禁止や相続、譲渡等によって土地の所有者が変更されても契約が新たな所有者に承継される事が契約条項に入っていることが条件となっています。土地の所有者や利用権者が代わったので施設は閉鎖となり退居という事などが生じては困りますから借地の場合は借地契約について確認する必要があります。
借家の場合にはどのような条件があるのでしょうか
借地の場合と異なる条件は、入居者との間に入居契約期間が定められていない場合の借家契約の最初の契約期間は20年以上とする事となっています。その他の条件については借地の場合と同様となっています。
特別に定期借地・借家契約の場合の条件があります
定期借地・借家契約の場合には入居者との入居契約期間が借地・借家契約の期間を超えないことが、入居契約期間中に定期借地・借家契約が終了したので退居しなくてはならなくなるという事が起きないためにも、当然と言えば当然ですが条件となっています。そして、入居契約期間に定めが無い場合には、定期借地・借家契約ではなく、通常の借地・借家契約とすることとされています。
土地・建物が有料老人ホーム運営事業者の所有で無かった場合には、定期借地・借家契約か通常の借地・借家契約であるか、定期借地・借家の場合は契約期間はいつまでか、入居契約期間より長いものかなどについて確認する必要があります。
※有料老人ホームには国が決めた標準指導指針があります。そして、それに基づいて各都道府県と一部の市が独自に指針を定める事となっています。各自治体の指針は自治体独自の内容を持つ事も出来ますので、施設を選択する際には施設所在地の自治体が定めた運営指針を確かめるのは、施設が運営を行う際に必要な条件を知るには参考になります。
また、どのような事にも原則があれば例外があるように、この指針についても例外規定が既設の有料老人ホームなどに対してありますので、施設を検討する際には注意、確認が必要です。