グループホームは認知症の高齢者が入居される小規模な施設です
グループホームは介護保険制度では認知症対応型共同生活介護といういかめしい名称になっていますが、介護保険制度が始まる前から運営されている施設も数多くあり、一般的には認知症グループホーム、略してグループホームと呼ばれています。
グループホームは認知症高齢者の方が安定した日常生活を過ごせるようにと、老人ホームのような大きな集団での運営を前提とせずに小規模のユニット単位での運営が原則となっています。そして、1ユニット9名定員としてユニット単位での生活を過ごす事で少人数の安定した人間関係を築いて、認知症高齢者の方が不得意とする環境の変化、不安定さを避ける配慮がされている最大で3ユニットまでの施設です。
グループホームは家庭的な雰囲気で過ごせるようにと配慮されています
グループホームは少人数の家庭のような生活環境の中で認知症の進行をいかにして遅らせるか、残された能力をどのようにして維持して行くかという事を目的として、利用者が施設スタッフの関わりにより施設での日常生活を積極的、主体的に過ごせる事を目指しています。
グループホームは日常的に顔の見慣れた同士での安定した生活を基本として、生活能力の維持、減退を遅らせる事を目的とした取り組みが行われます。そのため老人ホームのように施設生活の中で利用者が受け身的にサービス提供を受けることは基本的にありません。
グループホームでの生活は個人を尊重しながらもグループホームスタッフや利用者などと一緒に調理や食事の準備、掃除、洗濯などの日常生活活動を本人の状態、能力にあわせて共同で行い、日常生活能力の維持が可能となるような取り組みを受けながら毎日を過ごして行きます。
グループホームは原則として終の住処にはなりません
グループホームの利用者は原則的に認知症の状態がある程度安定して、小規模な集団生活が可能な状態にある認知症と診断された高齢者の方を対象としています。従って認知症が進行して集団生活が困難な状態に至ってしまった場合や認知症の病状が集団生活に適応出来ない状態となってしまった場合には、原則として施設を退居し他の介護保険施設もしくは医療機関への入所、入院等を行う事となっています。
介護保険制度が始まるまではグループホームは小規模な集団生活に適応可能な認知症高齢者を対象として運営されて来ました。グループホームの施設運営についての規定は介護保険施行時と変わっていないようですが、介護保険が開始されてまもなくの平成12年10月の施設数は675施設だったのが、平成24年10月の施設数は11,770施設とおよそ15倍になっており、グループホームの運営を規定が変わらずとも変えて行く必要が早くから生じていました。
施設数が多くなればいろいろなニーズに応えることが必要となって来ますので、介護保険制度が開始されて数年後から終身利用を前提にして受け入れを行う施設が出てきました。介護報酬の加算として看取り介護加算の算定が行えるよう体制作りをしている施設がありますので、実際にはグループホームを終の住処として考える事も可能となっています。