日常生活の変化により床に就いている時間が長くなります
高齢者といえば介護保険一号被保険者の対象年齢者である65歳以上という事にしますと、多くの方は退職年齢に達して仕事を辞めて悠々自適の生活に入られているか、第二の人生へと別な生活を始められているなど様々な日常生活を過ごされていると思われます。
人によっては現役時代よりバラエティに富んだ生活をされている方もいらっしゃるかも知れませんが、加齢に伴う老化はヒトによって個体差はあるものの明らかに見られるようになり、活動性や意欲などが当然低下していまい、それに加えて現役時代よりも日常生活で拘束される時間はずっと少なくなっているので、自由になった時間を積極的に使うことを考えるようにしないと、夕食後の時間を何か行う事もなく過ごす事になり、自然と床に就いている時間が長くなってしまいます。
老化により睡眠時間が短くなります
加齢による老化に伴って体力、気力の衰えが目立つようになり、疲れやすくない何もやることが無くなるとついうとうとしたり、夕食後に何もやることが無い、見つからない、見つけないでいるとついつい床に入っていつまでもうつらうつらしているという事が多く見られるようになり、早い入床時間と長い就床時間が高齢者の睡眠障害の原因の一つと言われています。
しかし、高齢者になると老化に伴う身体の機能の低下により一日の活動量は減少して、それに対して必要とされる睡眠時間は短い時間くなり、夜間に排泄に起きたり睡眠中断や早朝覚醒など目が醒めてしまうことで実際の睡眠時間も少なくなっています。その一方で就床時間は長くなっていて、入床しても入眠できないという問題は加齢に伴う老化の進行を考えるとある意味では当然の結果であるとも言えます。
老化により睡眠の質が変わります
老化は睡眠の質も変えてしまいます。ヒトの睡眠には4つの段階のノンレム睡眠と1つの段階のレム睡眠とで構成されていて、入眠すると一番深いノンレム睡眠に向かって身体と脳とを休めようとします。その後は90分周期でレム睡眠に向かいノンレム睡眠に戻るというくり返しを4~5回繰り返して覚醒するという睡眠パターンが一般的です。
高齢になると睡眠の量の減少に加えて、一番深いノンレム睡眠に至る回数が減少し、ノンレム睡眠の時間も短くなるという睡眠の質の老化が見られるようになり、長い時間就床しているにも関わらず、十分に睡眠時間が取れない、眠れない、疲れが取れない、寝足りない、目覚めが悪いなどの睡眠に対する不満が蓄積されてしまいます。
睡眠の質を上げる工夫を考えますと、①朝は同じ時間に起きるようにして生物時計のリセットを必ず行うこと、②日中、出来れば午前中に太陽光を十分に浴びること、③適度な運動や趣味の活動などで身体と脳とを動かすこと、④食事時間は規則正しくすること、⑤夕食後は少なくとも2時間は入床せずに過ごすことなどが上げられます。