相続は「争続」と呼ばれ争いの素
相続は、別名「争続」と言われるくらい、争いの種は尽きないもののようです。遺産分割協議は、多数決で決まるものではありません。あくまで全員一致でなければならないのです。何とか全員が納得する案を作らなければ協議は終わりません。全員一致と言うのは普通の会議でも難しく、財産を巡る相続とあれば、そのハードルははるかに高くなるでしょう。まして遺産分割は、親、兄弟、と言った親族同士の話し合い、普通の事であればスムースに行く話し合いが、財産争奪となると、逆に肉親同士の争いの方が厳しいとよく言われます。
遺産分割協議は全員出席が原則
その原因は家族の置かれた状況、親族間の対立、経済力の差、被相続人に対する対応などいろいろ考えられますが、お金のこととなると、だれもが固執するのは当然と言えましょう。兄弟が仲が悪いからと言って、その仲の悪い兄弟を外して、遺産分割協議をすることはできません。全員の参加がなければその遺産分割協議は無効となります。
相続分割協議参加を拒否の次男
一つの例として、普段から手紙一つのやり取りもしてない、兄弟の仲が悪く、父の葬儀がすんだらさっさと北海道に帰って行った次男。遺産分割協議に参加するよう何度も要請したが、顔を見るのも嫌だと協議に参加しない。そうかといって外すわけにもいかず、お手上げの状態であった。こうした場合、民法ではどの相続人からでも家庭裁判所に分割請求を申し立てることができます。家庭裁判所では、出てこない相続人に対しては、調停の期日を定めた呼び出し状を送ります。正当な理由なしに呼び出しに応じない場合は、5万円以下の過料が科せられます。調停での話し合いでまとまらない場合は、審判により家庭裁判所で、決めてもらうことになります。