エンディングノートとは
私たちは、人とのつながりで、日々生きています。これは古から日本人が重要視している人間関係で、その最たるものが、「血縁」と「地縁」と言えましょう。そして現代人では、友人や会社の人間関係が「社縁」と言えるでしょう。死んでいくものは、これら、人との縁の棚卸の準備することが遺言書であり、エンディングノートと言えます。最近特に耳にするのがこのエンディングノートと言う言葉です。エンディングとは「終末」を意味し、それに関する覚書と言えましょう。つまり「自分の死後、残された人に伝えておきたい覚書」と思えばよいでしょう。
今後の生き方を見直しとして活用
このエンディングノートは、遺言書と異なり、厳密な規定や、法的拘束力はありません。遺言書で、書くことのできなかった自分の「想い」を残すことができます。記入するのは、財産目録、葬儀や法要などの希望があれば書いておくこと、いざと言う時の連絡先、など事務的な項目だけでなく、自分が歩いてきた人生,遺された人へのメッセージなど世界でただ一つのかけがいのない遺産なのです。エンディングノートの大切なことは、死を起点とせずに、介護や医療、後見人など、現在の自分、終末そして死後までの広い範囲に渡って記すことです。死が迫った人だけでなく、いつでもだれでも人生の振り返りや、今後の生き方の見直しとしても、活用できるものでなければなりません。
新しいスタイルのエンディングノートも登場
その意味でもエンディングノートがあれば資産の整理だけでなく、人間関係の整理、人生の整理が楽になります。なぜならその人一人一人の必要なデータが一目瞭然で把握できるからです。エンディングノートと言うから「ノート」と思いがちですが、ノートだけではありません。デジタル化が進んだ今、新しいスタイルのエンディングノートも登場しています。それは、デジタルタイプのエンディングノートです。データとして遺す方法です。デスクトップに目立つアイコンを置き、遺族がクリックすると家族へのメッセージが流れるシステムなどあります。エンディングノートは、あなたがいざとなった時、家族の指針となるものです。あなたが遺したものは、形ある資産だけでなく、形のないかけがえのないものとして、遺族へと浸透してゆくことでしょう。