ノロウイルスの基礎知識
近年、よく知られるようになった「ノロウイルス」ですが、意外と、その詳しい内容まで理解している人は少ないのが現状です。高齢者の介護をしているご家族の方と話をしてしても、まだまだ、ノロウイルスへの理解は不十分だと感じられます。ノロウイルスの主な感染源は、食品によるものです。特に、カキなどの二枚貝からの感染が代表的です。ノロウイルスの潜伏期間は、通常、1~2日だといわれています。早い場合、食品を食べた翌日には症状があらわれることになります。
ノロウイルスの主な症状
それでは、ノロウイルスの主な症状を紹介します。多くの人に見られる症状は、「嘔吐」、「激しい下痢」、「腹痛」です。また、それほど高熱にはなりませんが、「発熱」の症状が見られる場合もあります。嘔吐や下痢の回数は、1日に数回から、ひどい時には10回を超えるケースもあります。ノロウイルスによる嘔吐や下痢は、通常の嘔吐などに比べますと、重さも頻度も、全く違うものです。おかしいな、と感じた場合には、ノロウイルスの感染を疑うべきでしょう。そして、ノロウイルスの症状の中で特に注意が必要なものは、この、「嘔吐」と「下痢」です。嘔吐と下痢を複数回繰り返すことによって、からだの中の水分が大量に奪われることになります。いわゆる、「脱水症状」に陥る危険性が高まります。
脱水症状にご注意
幼児や高齢者の中には、ノロウイルスによる脱水症状で、命を落とす事例が頻繁にあります。嘔吐や下痢による脱水症状では、私たちの予想以上に、体内の水分が失われている状態になっているのです。ノロウイルスの症状が疑われる場合には、こまめな水分補給を行うことが必要不可欠です。育児中の方、また、ご自宅で高齢者の介護をされている方は、特にノロウイルスに関する知識をもっておいてほしいと思います。