パンツ・おむつを使って快適な生活を
恒常的な排泄のためではなく、たまの“おもらし”のためにおむつを利用するのは有効です。
そもそも高齢者では、尿道括約筋が衰えることで、例えばせきやくしゃみをしたり、立ち上がったりした時に、少量だけおしっこが出てしまうような人もいます。一方で、本人の意思とは関係なく膀胱が収縮して、排尿してしまう人も…。“おもらし”の程度は千差万別ですので、それぞれに合ったおむつを選ぶことが大切です。また昨今では、下着感覚で気軽に使えるような「失禁パンツ」と呼ばれる商品も市販されています。
この「失禁パンツ」は、股の部分の吸水性・防水性が強化されているため、長時間の外出時なども有効に使えます。それだけでなく、別名「リハビリパンツ」や「トレーニングパンツ」とも呼ばれているように、おむつを外して生活するための練習用の下着としても使うことができます。
そうしたパンツやおむつを選ぶ際のポイントは、ずばり尿量です。それでは、尿量によって異なるパンツ・おむつの選び方を説明しましょう。
尿量が少~中程度の人は失禁パンツ・防水パンツを
“ちょっとしたはずみに少しだけ漏れる”といった人には、失禁パンツがお薦めです。一言で失禁パンツといっても、その種類は様々。下着にも凝りたい女性のためにオシャレな柄のものや男性用のトランクスタイプ、太腿までカバーする5分丈のものなどがあり、ニーズに合わせて選ぶことができます。
また、尿取りパッドというものも市販されています。これは、基本的には普通の下着に取り付けて使用するタイプで、快適性を追求するために薄くしたものや、吸水性を重視してポリマーを内蔵したものがあります。漏れる尿が少量という場合には、こうした商品を使うのも一つの手でしょう。
それでは不安だという人には、失禁パンツに尿取りパッドを付けるという方法もありますし、また、股の部分の吸水性をより強化した防水パンツも。吸い取る尿量も多くなりますので、その安心感は失禁パンツより大きくなります。
尿量がやや多い人には、はくおむつを
上記よりさらに、漏れる尿の量が多いという人には、はくタイプのおむつがお薦め。脚を通す部分にギャザーが入っているため、からだにしっかりフィットし、尿が漏れる心配が少ないものです。これでも漏れそうで不安だという人は、前述の尿取りパッドを取り付けてはくと良いでしょう。
尿量が多い人や、寝る時にははくおむつ・開閉式のおむつを
より多くの尿を吸い取るためには、吸水ポリマーが内蔵されているタイプのはくおむつや、開閉式のおむつがお薦めです。開閉式のおむつとは、からだのラインに合わせてマジックテープなどで留めて使用するもので、複雑な動きやちょっとした動きにも対応したものです。特に寝る時などは、マジックテープが取れて外れてしまわないように、おむつカバーも併用すると良いでしょう。
ただしこれらは、病気などで長時間寝る時に使用するもので、常に使うようなものではありません。普通に排泄できるようになったら、失禁パンツや防水パンツ、普通の下着に戻すことが前提だということを頭に入れておいてくださいね。