すべての高齢者にとって、ポータブルトイレが安心な理由とは?
自然な排便のためには「腹圧」「重力」が大切。しっかりとお腹に力を入れ、なおかつ重力を利用して排便するためには座った姿勢が良く、洋式トイレの便座に腰掛けるのがベストです。そこで便利なのが、要介護者のために作られたポータブルトイレです。
ポータブルトイレとは、トイレまで歩いて行けない人だけのものではありません。イスなどに腰掛けた時、うまくバランスを取れない人にとっては、背もたれや肘あてが付けいたポータブルトイレは非常に安定性があり、安心感を得られるのです。とはいっても、ポータブルトイレの種類はいろいろあります。そこで、高齢者が安心して排便できるような、理想的なポータブルトイレの条件をご紹介しましょう。
ベストなポータブルトイレを選ぶポイント
ポータブルトイレとは、一見すれば普通のイスのようなものですが、その材質や作りは様々です。まず便座には、長時間座っていても疲れないような素材が使われているものが良いでしょう。座った瞬間にひやっとするような樹脂製のものではなく、クッション性のあるウレタンフォームなどが入っているものを選んでください。同様に、背もたれも、便座と同様にクッション性があるものが良いでしょう。
快適性と同様に、安心感を得られることもポータブルトイレの条件です。十分に力を入れられたり、立ち上がる時に怖さを感じたりしないようにするために、脚の高さを調節できるものがベスト。また、バランスを取るために肘あてがあるものが良いですが、これは、ベッドなどから移動しやすいように取り外しができるタイプで、なおかつ高さも調節できるものがベストです。
昨今では、普通の洋式トイレのようなタイプのものも市販されていますが、あまりお薦めはできません。というのも、普通のトイレは足元が閉鎖されており、立ち上がる時に足を引くことができず、安心感が得られないためです。木製のポータブルトイレでも、脚を安定させるために水平に添え木が付けられているものがありますが、同様の理由でお薦めできません。
折りたたみ式のものがあれば、外出も安心
昨今では、折りたたみ式のポータブルトイレも市販されています。文字通り、折りたたんでしまっておけるだけでなく、車などで移動して持ち運ぶのにも便利です。外での排尿や排便が不安なために、外出を避けるようになる高齢者も多くいますが、こうしたアイテムさえあれば安心ですね。