意識的に笑顔を作る
「笑う門には福来たる」ということわざがあります。これは、朗らかに笑っていれば幸せがやってくるという意味ですが、何も迷信めいたものでありません。というのも、実は笑うと脳が刺激されて、からだの免疫力を高めるということが科学的にも証明されているのです。
その実証方法は、目の前にその人が好きなものと嫌いなものを置くというだけのこと。これによって、好きなものを目の前にした時には血流が良くなり、逆に嫌いなものの前では血流が悪くなるのです。さらには、嫌いなものを目にしている時でも“作り笑い”をすることで、1分半ほどで血流が良くなります。ということは、心からの笑いではなく、作った笑顔もからだに良い作用を与えるということになります。
人間は当然、沈んだ顔をした人よりも明るい笑顔な人の方に好印象を持つため、人に好かれやすくなるものです。ましてや、笑っているだけでからだに好影響があるのであれば “笑わなければ損”とも言ます。
日常の忙しさにかまけて笑顔を忘れがちではありませんか?ストレスが溜まってはいませんか?はっきり言って、それでは損な生活を送っていることになります。忙しい日常を変えるのは難しいかもしれませんが、意識や考え方一つで笑顔を生み出すことはできるはずです。そして、そのことによって楽しいという感情が生まれ、体内の免疫の活性化につながっていくのです。
笑うだけでおこる7つの効果
では実際、笑うことでどのような効果が得られるのか、見ていきましょう。
脳が刺激される
笑って顔の筋肉が収縮することで、脳に刺激が与えられます。記憶や学習と深い関連性がある海馬という部分も刺激を受け、血流が良くなり、認知症予防や改善にも効果があるとされています。
免疫力が高まる
細菌やウイルスといった外敵だけでなく、体内にできるがん細胞に抵抗する働きをもつナチュラルキラー細胞が活性化し、さらに増加して免疫力が高まっていきます。
痛みが抑えられる
笑うことで“脳内麻薬”と言われるβエンドルフィンが増え、気分が痛みの度合いのカギを握るとされているリウマチの痛みを抑えてくれます。
ストレスが解消される
顔の筋肉が収縮することで副交感神経が活発になり、それによってからだがリラックスした状態へと向かいます。
自律神経の働きが良化される
からだのエネルギーを発散させる働きのある交感神経と、その逆でからだを休めようとする副交感神経で成り立っている自律神経の、バランスが良くなります。
人間関係が良化される
笑顔とは、人間関係におけるいわば潤滑油のようなもので、例えば忙しい業務にあたっている時でも仕事がスムーズに進み、人間関係の良化に一役買ってくれることになります。
細胞や血管が若年化される
笑っている時は呼吸が止まっていることが多く、そのあとに深呼吸をする人も。すると、肺の血管が広がって血圧が下がったり、細胞の働きが良化されて動脈硬化などの病気の予防になったりします。
笑顔を作るための5つのステップ
一言で「笑顔を作りましょう」と言っても、意識するとなかなか難しいものです。そこで、簡単に笑顔を作ることができるようにする、5つのステップをご紹介します。
ステップ1:鏡の前で練習する
例えば朝、歯を磨いたり顔を洗ったりする時に、洗面所の鏡の前で笑顔を作る練習をすると良いでしょう。
ステップ2:口角を上げる
まずは口を固く結び、左右に大きく広げます。その後に、口角がU字を描くようにキュッと上げますと、口元が笑みを浮べているように見えます。
ステップ3:目を細くする
左右に大きく広げた口と合わせるように、目尻にシワを作るような感覚で目を細めていますと、優しそうな表情が作れます。
ステップ4:歯を見せるようにする
半分くらい口を開け、そこから少しだけ歯がのぞくような感覚で。歯を見せて笑顔を作りますと、元気があるように見えるものです。
ステップ5:笑い声を発する
ステップ4までで表情は完璧です。それに笑い声をプラスしましょう。なんだか楽しくなってきませんか?
こうしたステップを毎日続けていれば、自然な笑顔を作れるようになりますよ。