リハビリテーションとは、①医学的リハビリテーション、②職業リハビリテーション、③教育リハビリテーション、④社会リハビリテーションの4分野のリハビリテーションがありますが、高齢者などが疾病等により医療機関に入院し、リハビリテーションを受けたというと、医学的リハビリテーションを意味します。医学的リハビリテーションを受けることで、障害の軽減や在宅生活への準備を行い、介護保険制度の利用が必要とされる場合が少なからず生じています。
医学的リハビリテーションの一般的な過程には、(1)急性期リハビリテーション、(2)回復期リハビリテーション、(3)維持期リハビリテーションの3種類があります。
(1)急性期リハビリテーション:発症・受傷後約30日以内の医学的リハビリテーションで、救命を前提としながらも、後遺障害を最小限にするために、急性期治療と並行して行われます。
(2)回復期リハビリテーション:急性期後の30日~180日に行われる、身体機能や活動能力の回復を図ることを目的として医学的リハビリテーションです。退院後の生活の準備として、外泊や生活環境の整備、介護保険等の制度利用の準備などが行われます。
(3)維持期リハビリテーション:障害の状態が安定・固定し、個人の残存能力や残存機能を維持・改善するために行うリハビリテーションです。介護保険制度の利用による通所リハビリテーションや介護老人保健施設などで行われるものです。
けがや疾病の状態や予後(後遺障害の予測される状態など)によって、(1)~(3)のリハビリテーションが選択されて行われます。医学的リハビリテーションの一般的な過程は、急性期⇒回復期⇒維持期の順番で行われます。
回復期リハビリテーションが終わり、維持期リハビリテーションとなり、障害の状態が安定・固定したと考えられ、能力や機能の改善は困難と思われても、残存している機能や能力の維持を図るためには、日常生活の活動の中で行うことが出来るリハビリテーションの方法を習得することが必要と考えられます。