認知症の方は、記憶がなくなっていくことにとても不安を感じています。そのことでトラブルがあると自信も喪失しますし、プライドが傷ついたり、かかわりのある人を拒絶するようになることもあります。ですから、家具や寝具、衣類、食器など、身の回りの慣れ親しんだものを勝手に変更したり、捨ててしまったりするのはやめたほうがいいでしょう。できれば自宅に帰ってきて不安を感じたりしないように、入院前と同じ状態で迎えてあげるほうがいいと思います。変えるときは、ご本人と一緒に新しいものを選んだり、模様替えのプランを考えたりして、いきなり変わってしまった、ということがないように配慮するといいと思います。ご自分の居場所はここなのだと、ご本人が実感できるように、ご家族が協力してあげると、いい結果となるのではないでしょうか。