私の母は、３ヶ月前に胃ろう造設しました。食事はできなくても、意識がはっきりしており意思の強い母に、最初はだいぶ抵抗されました。私もずいぶん悩み、母の気持ちの通りに過ごさせてあげたいという気持ちから、母の意思を尊重していました。でも、食事を思うようにとれず、だんだん衰弱していく母を見ていると、どうしてもたまらず、「胃ろうにして、長生きしてほしいよ」と、私のほうからお願いしました。
介護をしている人なら、弱ってきた本人の意思を尊重してあげたい、という思いは皆さん抱いていると思いますし、介護か意思尊重か、の狭間で悩むこともありますよね。私も悩みつつの判断でしたが、今は食べられなくても、以前より顔色の良くなった母を見て、よかったなとホッとすることも多くなりました。
食は共有できなくなったけれど、最近では、おいしい「味」を口に入れることで共有し、「おいしいね」と話したりしています。母も食事のたびの苦労がなくなったのか、だいぶ態度がやわらいだようで、私は胃ろう造設してもらってよかったと思っています。