75歳の父は、脳卒中の後遺症で半身不随となりました。歩くことも困難な状態で、今はリハビリ専門病院で機能回復の訓練をしています。父の体は、訓練すればかなり動けるようになるそうですが、動かさないでいるとどんどん機能が落ちていって、本当に動かなくなってしまうそうです。医師には「ご家族が味方になって、頑張らせてあげてください」と言われ、私もできるかぎり応援しようと思っています。
父は「なるべくなんでも自分でやるように」と病院でいわれているのですが、見ているとついついもどかしくなって、手を出してしまいたくなります。ちょっと手を貸せば、車いすに乗せるのも、杖を渡すのも簡単にできるし、時間もかかりません。でも、それじゃあだめなんだと、頼ろうとする父に心を鬼にして「自分でやってね」と言っています。そうするころが、父の自立にもつながるそうです。
それに、私はリハビリのスタッフに「できることが増えたら、どんなことでも誉めてあげてください」と言われているので、少しでも長く動けたら「すごい、すごい」と誉めちぎったりしています。これがなかなか大変なんですよ。
でも、最近気づいたことがあります。「今のこの状況って、息子が小さい時のしつけにソックリ！！」。なるべく見守るだけで自分でやらせるとか、できることがあったら誉めてあげるとか、根気づよく取り組ませるとか、すべて幼稚園のころのしつけマニュアルと一緒。私のセリフもあの頃と一緒です。そう思うとなんだか微笑ましくなってきて、なかなか思い通りに体が動かずかんしゃくを起こしている父さえかわいく見えてくるから不思議。「そうか、今はしつけの途中なんだ」と考えれば、八つ当たりされても怒りが収まってきます。
いや～子育てしておいてよかった。もう高校生になった息子よ、アリガトウ！